今回は「複式簿記」、「会社」、「株主」についてお話しします。
まずは「複式簿記」について説明します。簿記とは、取引を帳簿に記入する作業を指しますが、その中でも「複式簿記」は簿記の学習で一般的に用いられる方法です。
この「複式」という言葉は、より本格的な記録方式を示しています。
複式簿記では、取引を「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つの勘定科目に分類し、借方(左側)と貸方(右側)の2つに分けて記録します。
この際、同じ金額が借方と貸方に記入されることが必要です。
取引を2か所に記入するため「複式」と呼ばれます。
例えば、借方に1万円、貸方にも1万円といった具合に、金額が一致することが重要です。
一致しない場合、後に合計が合わず、問題が生じることがあります。
複式簿記は、取引を複数の場所に記録するという基本を覚えておくと良いでしょう。
次に「会社」について説明します。
会社とは、法律に基づき営利を目的として活動する団体のことです。
継続的かつ組織的に利益を追求するための集団です。
会社には「法人格」があり、一般の人と同様に権利や義務を持つことができます。
これは法律上認められた能力であり、「法的人格」とも呼ばれます。
私たち人間は「自然人」と呼ばれ、自然人としての権利を有しますが、会社も法人格を持つことで、例えば「ネットスクール株式会社」が権利を得たり義務を負ったりすることが可能です。
これは、会社が経済活動の主体として存在できることを意味します。
会社の形態にはいくつかの種類がありますが、一般的には「株式会社」が多いです。
株式会社とは、株式を保有する出資者(株主)がその会社の所有者となる形態です。
株主はその会社の運営に対して権利を持ちます。
株式会社は、株主から資金を調達して運営されます。
法律である「会社法」に基づき、複数の投資家から資金を集めて事業を展開します。
このように少額の出資が集まることで大きな資本が形成され、大規模な経済活動が可能になります。これが会社の大きなポイントです。
会社は設立時に「登記」を行い、それによって正式に成立します。
この登記は、人間の戸籍に相当します。また、会社が倒産することもありますが、基本的には借金が返せない限り、会社は永続的に存続します。
これを「ゴーイング・コンサーン」と言い、会社が設立された後、永続的に活動を続けることが前提となっています。
最後に「株主」について説明します。
株主とは、会社に資金を出資し、株式を所有する個人や法人のことです。
株主はその会社の所有者として、年に1回行われる「株主総会」に参加し、会社の運営に関する意思決定に関与します。
株主総会では、会社の役員の選任や業績の報告が行われ、株主は経営に参加する権利を持っています。
株主は保有株数に応じて権利を持ち、多くの株を持つほど会社の意思決定に影響を与えることができます。
過半数の株を持つ株主は、会社の意思決定に大きく関与し、これを「子会社」と呼ぶことがあります。また、大企業では「連結決算」を行い、子会社の経営成績を統合して報告します。
一般的に、大企業では経営者と株主が分離されており、経営者が株主の意向を受けて会社を運営します。
これを「所有と経営の分離」と言います。
一方で、中小企業では経営者が株主として株式の過半数を所有し、経営をコントロールする「オーナー企業」も存在します。
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