今回は「半製品」と「仕掛品」についてお話しします。
まず、「仕掛品」という言葉は工業簿記でよく耳にしますが、「半製品」はあまりなじみがないかもしれません。
そこで、今回はこの二つの違いについて説明します。
まず「半製品」についてです。重要度は星1つと設定しています。
半製品とは、製造過程でまだ完成していないものの、そのままでも販売できる状態の製品を指します。
この点を理解しておくことが大切です。
関連する言葉には、「仕掛品」、「原材料」、「製品」があります。
解説すると、原材料を少しでも加工すると「仕掛品」になります。
仕掛品は未完成の製造物であり、半製品と似た点がありますが、仕掛品はそのままでは販売できないのに対し、半製品は販売可能です。
この違いが重要なポイントですので、ぜひ覚えておいてください。
勘定科目の流れとしては、まず現金を支払い、原材料や労務費、経費を消費して「仕掛品」という未完成のものが生まれます。
時には、この仕掛品が半製品の状態を超えて進むことがあり、それが問題になることもあるので注意が必要です。
次に、より重要な「仕掛品」についてお話しします。
こちらの重要度は星3つと高いので、しっかり理解しておきましょう。
仕掛品の定義は、製造に着手したものの月末時点で未完成のものを指します。
関連語には、「製品」や「半製品」があります。
解説として、材料費、労務費、経費は、個別原価計算制度では「直接材料費・直接労務費・直接経費・製造間接費」の4つに分けられます。
また、総合原価計算制度では「直接材料費」と「加工費」に分類され、加工費には直接労務費や直接経費、製造間接費が含まれます。
各製品にかかる費用はすべて「仕掛品」勘定に記録されます。つまり、原価計算を行う際には、すべての製造原価が一度仕掛品勘定を経由することを覚えておきましょう。
また、月中に完成したものは「製品勘定」に振り替えられ、月末時点で未完成のものはそのまま「仕掛品勘定」に残り、翌月に繰り越されます。
仕掛品勘定は資産項目として分類され、貸借対照表における棚卸資産の一つです。
製造業における棚卸資産は「原材料」「仕掛品」「製品」「半製品」の4つがあることを理解しておくと良いでしょう。
特に試験対策では、「原材料」「製品」「仕掛品」の3つがよく出題されるので、しっかりと覚えておいてください。
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