今回は簿記ャブラリ第2章、3級・2級商業簿記の「未取付小切手」について解説します。
未渡小切手と未取付小切手は簿記学習でよく混同される概念です。
違いをしっかり理解することが大切です。
現在は電子決済が主流となり、小切手を使う機会は少なくなっていますが、簿記の試験では出題されることがあるため、今のうちにしっかりと学んでおきましょう。
まずは「未取付小切手」について見ていきます。
未取付小切手とは、「小切手を振り出して相手に渡したが、その相手が銀行に持ち込んでいない」状態を指します。
この点が未渡小切手との大きな違いです。
未渡小切手はまだ相手に渡していないため、当座預金のマイナスを修正してプラスにしますが、未取付小切手はすでに相手に渡されているので、当座預金のマイナスはそのままで問題ありません。
未取付小切手の状況は、相手が銀行に小切手を持ち込んでいない、つまり支払い手続きをしていないだけです。
銀行での処理がまだ行われていないという状態です。
また、「未取立」という用語もありますが、こちらは受け取る側がまだ支払いを受けていない場合に使います。
未取立は「取り立て」を意味し、こちらが支払を受けていない場合に該当します。
一方、未取付は支払いを行う側、つまり相手が銀行に持ち込んでいない場合に使用します。
したがって、未取付は支払う側の状況、未取立は受け取る側の状況と覚えておくと良いでしょう。
関連する用語としては、「銀行勘定調整表」や「当座預金」が挙げられます。
未取付小切手は、相手が銀行に小切手を持ち込んでいない状態を指します。この点が未渡小切手との違いです。
未取付小切手に関しては、振り出した側である会社側に問題はないため、修正仕訳は必要ありません。
未渡小切手は修正が必要ですが、未取付小切手は相手側の都合であり、会社側は正しい処理をしているため、特に修正する必要はありません。
当座預金の残高と銀行の記録に不一致が生じた場合、その原因は相手や銀行側の処理に関するものであり、最終的には銀行側の記録が正しいものとして反映されます。
まとめると、未渡小切手と未取付小切手は「小切手を渡したか渡していないか」の違いがあることを理解しておきましょう。
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