今回は簿記ャブラリ第2章、3級・2級の商業簿記の中でも特に重要な「売掛金」について解説します。
簿記を学び始めたばかりの方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、この機会にしっかりと理解を深めていきましょう。
まず、売掛金とは何か。
これは簿記において非常に重要な用語で、ほぼ全ての簿記試験に出題されます。
売掛金は資産の一部に分類され、3級・2級はもちろん、1級や税理士試験、会計士試験など、どの試験でも必ず登場する重要な項目です。
その重要度は星3つといったところです。
売掛金の定義は、「売上代金の未回収分」です。
これは「信用取引」の一形態で、ビジネスを拡大するためには欠かせない取引手段です。
関連する用語としては、「受取手形」があります。
これは売掛金に関連する売上債権の一部であり、売上や前受金も売掛金と関連する重要な用語です。
売掛金は、例えば「月末締め翌月20日払い」のような形で代金が回収されます。
また、売掛金は受取手形と合わせて「売上債権」と呼ばれることもあります。
そして、売掛金に対しては貸倒引当金が設定されることがあり、未回収のリスクに備えるために必要です。
売掛金の身近な例としては、飲食店での「ツケ」が挙げられます。
後払いの取引は、今やクレジットカードの利用などでも一般的です。
サービスを提供して、後で代金を受け取る形を「信用取引」と呼びます。
信用取引の大きなメリットは、取引の拡大が可能になる点です。
後払いによって、顧客は商品をすぐに手に入れやすくなり、商売がより活発になります。
特に、BtoB(ビジネス・トゥ・ビジネス)取引では、売掛金の発生が非常に多くなります。
BtoB取引は法人同士で行われる取引で、取引額が大きくなる傾向があります。
例えば、毎月50万円や100万円といった取引が多く、これらの金額は大半が売掛金として記録されます。
一方、BtoC(ビジネス・トゥ・カスタマー)は消費者向けの取引で、小売業などでよく見られます。
かつては現金商売が主流でしたが、現在ではクレジットカードを利用した後払いも広がり、売掛金の形態が一般的になりつつあります。
では、具体的な取引の例を見てみましょう。
例えば、商品50万円を売ったとします。
このうち10万円は先方から振り出された小切手で受け取り、残りの40万円は掛け(後払い)とします。
この場合、10万円は現金(小切手)として「現金」として記帳し、残りの40万円は「売掛金」として記帳します。
この取引のポイントは、40万円が後払いであるという点です。
この未回収分については、決算をまたぐ場合、回収できるかどうかを見積もり、その費用を計上する必要があることも理解しておきましょう。
このように、売掛金は商業簿記において非常に重要な概念であり、しっかりと理解しておくことが求められます。
今後の学習に役立ててください。
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