今回の「簿記ャブラリ第1章」では、「報酬」「連結決算」「有価証券報告書」について解説します。
まず、「報酬」について説明します。
報酬とは、職務の遂行に対する対価として支払われる現金やその他の資産を指します。
従業員に支払われる報酬は「給与手当」と呼ばれ、役員に支払われる報酬は「役員報酬」と呼ばれます。
また、会計士や税理士に業務を依頼した場合は、それぞれ「会計士報酬」や「税理士報酬」として支払われます。
このような支払いは、外部の専門家に業務を委託する形で行われるため、「専門家報酬」とも呼ばれます。
従業員の場合、会社の指示のもとで一定の業務を行い、その対価として給与が支払われます。
しかし、役員や会計士、税理士は、会社から直接的な指示や命令を受けるわけではなく、専門的な知識や成果に対して報酬が支払われます。
このため、役員報酬や専門家報酬は、単なる給与ではなく、専門職としての成果に対する報酬として位置付けられます。
特に役員は、経営を委託されているプロフェッショナルとして、その対価として「役員報酬」を受け取ることになります。
次に、「連結決算」について説明します。
連結決算は、親会社と子会社など、関係の深い企業群の決算を一つにまとめ、グループ全体としての損益を算出する手法です。
現在では、特に上場企業において、単体決算だけでなく、グループ全体を含めた連結決算が重要視されています。
連結決算に基づいて作成される財務諸表は、「連結財務諸表」と呼ばれ、その英語表記は「Consolidated Financial Statements」となります。
最後に、「有価証券報告書」について解説します。
有価証券報告書は、連結決算と密接に関連している重要な書類です。
上場企業は、通常、子会社を持っていたり、複数の企業を連結して決算を行うため、この報告書を作成し、外部に開示する義務があります。
これは金融商品取引法(旧・証券取引法)に基づいており、企業は事業年度ごとに、経営情報や損益状況を報告するためにこの書類を作成します。
特に、株式を上場している企業や一定の規模以上の大企業は、これを作成することが義務付けられています。
有価証券報告書は、インターネット上のEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示システム)や企業の公式ウェブサイトで閲覧できます。
これにより、企業の経営情報や損益情報を確認することが可能です。
また、有価証券報告書は公認会計士による監査を受ける必要があり、監査法人による監査が行われます。
この監査証明がなければ、その財務諸表は信頼性を欠き、株式取引を円滑に進めることができなくなるため、監査は必須のプロセスとなります。
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