「為替手形」という言葉は、実務ではあまり馴染みがないかもしれません。
昔の簿記検定試験では時々登場していましたが、最近ではあまり取り上げられることも少なくなっています。
それでも、知識として覚えておくと役立つ場合がありますので、簡単に説明しておきます。
為替手形は、振出人(発行者)の立場で説明すると、仕入代金や買掛金などの支払いを第三者(得意先など)に依頼するために発行する手形のことです。
ただし、これは昔の方法で、今では電子記録債権など、もっと便利で効率的な方法があるため、実際にはあまり使われていません。
関連する用語としては、「売掛金」「買掛金」「引受人」などがあります。
簡単に言うと、振出人は得意先に対する売掛金を減らし、買掛金や仕入れの支払いを借方に仕訳します。
この仕訳は少し特殊で、具体的には貸方が「売掛金」、借方が「買掛金」となります。
例えば、仕入れたときの掛代金(買掛金)を支払うために、得意先から売掛金を回収し、その後そのお金で仕入先に買掛金を支払うという二度手間が発生する場合があります。
その際に為替手形を使うと、得意先に支払いを引き受けてもらい、そのまま仕入先に支払うことができ、代金の回収と支払いを一度で済ませることができます。
これにより、手続きが簡素化され、効率的に処理できます。
具体的な取引例としては、例えばK株式会社に対する買掛金を支払うために、得意先B商事宛てに為替手形を振り出し、B商事にその手形を引き受けてもらいます。
そうすれば、B商事が直接K株式会社に支払うことになり、得意先からお金を回収してから支払う手間が省けます。
このように、為替手形を使うことで、いくつかの手続きを簡単にすることができます。参考にしてみてください。
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