簿記の学習をしている皆さん、会計士や税理士にとって非常に重要な項目である「前払費用」について解説します。
この項目は経過勘定の中でも特に大切なものですので、しっかり理解しておきましょう。
簿記3級では非常に重要なポイントとなるため、星4つをつけても良いくらいの重要性を持っています。
必ず定義を覚えておくことが大切です。
「前払費用」とは、一定の契約に基づいて継続的にサービスを受ける場合に、当期に支払った費用のうち、次期以降の期間に属する部分を決算時に資産として振り返る項目です。
この概念に関連する語句には、「前払保険料」「保険料」「前払利息」「支払利息」「未払費用」などがあります。
通常、お金を支払うと、その費用は当期の費用として計上されますが、場合によっては次期以降の消費分を前払いすることもあります。
この場合、決算時点では「将来、サービスを受ける権利の代金として支払った金額」という意味で、前払費用が資産として貸借対照表に計上されます。
前払費用は、サービスを受ける期間に対応して計上します。たとえば、1年分の保険料を前払いした場合、そのうち当期に該当する部分は費用として計上し、残りの期間(たとえば次期の4ヶ月分)は前払費用として資産に振り替えます。
次に、具体的な取引例を見てみましょう。
当期の決算において、保険料のうち1000円が翌期に属することがわかった場合、この1000円は前払費用として計上します。
つまり、1000円は来期の費用を前払いした分と考え、次のように仕訳を行います。
借方:前払保険料 1000円
貸方:支払保険料 1000円
前提として、前期に1年分の保険料(3000円)を支払ったと仮定します。
この場合、仕訳は次のようになります。
借方:保険料 3000円
貸方:現金 3000円
その後、4ヶ月分が翌期に該当することが判明した場合、当期の費用として計上すべき金額が過剰であるため、次のように仕訳を修正します。
借方:前払費用 1000円
貸方:保険料 1000円
これにより、当期に計上する保険料の費用は、3000円から1000円を差し引いた2000円となります。
このように、前払費用を正しく処理することができます。
前払費用は非常に重要な仕訳であり、簿記の基礎をしっかりと理解するためには欠かせない項目です。
今後の学習において、しっかりと覚え、使いこなせるようにしておきましょう。
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