上場企業の純有利子負債は、バブル後の最低水準(日経2005.7.24*1)
今回は、ちょっとめずらしく日曜版のトップ記事です。
通常、日経の財務記事は、平日版ないし土曜版の1面または投資・財務欄でよく取り上げられるのですが、たまに、特集のような感じで日曜版にも、重要な話題が取り上げられることがあります。
時には、注意して日曜版の1面にも目を通してみてください。
7月24日(日)の1面によりますと、上場企業の純有利子負債が、バブル後最低となり、100兆円を割るとのことです。
2005年3月期の推計によりますと、調査対象となった1181社について、有利子負債から手元流動性を差し引いた純有利子負債は、前年同期比より7兆円も低い97兆円でした。
手元流動性超過額のトップは、武田薬品工業の1兆5千82億円とダントツでした。
2位の任天堂(8471億円)を大きく上回っていますね。
このように、手元流動性が超過している実質無借金の会社は、調査対象の3分の1にものぼるそうです。391社が実質無借金でした。
このような有利子負債の削減に成功した要因は、なんといっても収益力の回復です。また、稼いだ金を、地道に借金返済に充てた努力が実を結んだともいえるでしょう。
有利子負債の削減は、当然、金利負担を軽減しますので、さらなる経常利益へのプラス作用が見込まれます。好循環ですね。
次に、このあまった資金をどのように使うのか、が問題となります。
設備投資にまわすのも結構ですが、その後の償却負担との兼ね合いから、しっかりと将来収益の計画を立てておく必要があります。
最近のM&Aの増加傾向からすると、当然のことながら、余剰資金を買収にまわす企業が増えてくることでしょう。
これからは、「あまった資金をどう使うか?」によって、株主の経営者に対する評価が大きく左右されることになるかもしれませんね。
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