2月24日の日経新聞では、1面・3面4面で三洋電機の会計訂正問題に触れています。
証券取引等監視委員会が、経営再建中の三洋電機に対し、子会社や関連会社の株式の評価損を少なく見積もり、単独決算で黒字を確保したとみて、調査を進めているそうです。
問題となっているのが、2004年3月期の単独決算です。
このとき、単独ベースで44億円の最終黒字であり、配当は前期と同じ年6円を維持していました。
日経の報道では、配当維持が目的との推測をしています。
なお、2004年3月期当時で、一部の子会社・関連会社は実質債務超過だったという指摘があるそうですが、それらにつき、回復見込みがある以外と認められた場合は、ある程度の評価損計上は必要だったのかもしれませんね。
私が監査法人にいた時も、子会社株式と関連会社株式の著しい下落には、非常に神経を使って評価の検討をした覚えがあります。
未公開企業が投資先の場合でも、純資産が投資時よりも半減したら、上場株と同じく減損処理の対象となりますので、ここらを見逃すと、会計士としては大きな責任問題となりかねませんからね。
この「子会社株式・関連会社株式の評価損不計上」は、外からは見えにくい経理操作ですので、特に上場企業の場合、監査をしっかりがんばってほしいところです。
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