会社の資産は、バランスシートの左側に表示されるのでしたね。
バランスシート(B/S)
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( 資 産 ) |( 負 債 )
|( 資 本 )
↑
1カ ネ(現金預金)
2モ ノ(棚卸資産、固定資産…)
3ケンリ(売掛金、短期貸付金…)
4カブ等(株式、社債、デリバティブ…)
このように、バランスシートの左側には、お金、現物財産、売掛金(売上代金の未回収額;つまり「ツケ」)などの権利、株式などがたて一列に並べて記載されます。
右側には、借金である負債と株主へ帰属する資本が書かれかれます。
(左側) バランスシート (右側)
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(資産の部) | (負債の部)
現金預金 | 買掛金
売掛金 | 短期借入金
未収金 | 賞与引当金 ←注目!
短期貸付金 | 退職給付引当金 ←注目!
立替金 |・・・・・・・・・
有価証券 | (資本の部)
棚卸資産 | 資本金
固定資産 | 当期未処分利益
| :
ここで、今回は、上記の左側の下に書いてある「固定資産」を売却したときの決算書表示について、学習したいと思います。
固定資産とは、「企業が一年を超える長期にわたって使用する資産」のことです。
具体的には、
○建物
○付属設備
○構築物
○機械装置
○車両運搬具
○備品
○土地
などがあります。
ここで、付属設備とは、建物にくっついている給排水設備とか、電気設備などの設備類です。また、構築物とは、土地に付着するアスファルトや塀などです。
ちなみに、不動産鑑定士の鑑定評価の対象になるのは、通常、建物とか構築物とか土地などですね。
こういった設備とか土地などの売却は、企業の本来の営業活動とは異なる取引ですよね。
一年のうち、そうめったに生じるわけでもないです。
↓
↓
「固定資産の売却は、商品の売上げとはちがって、臨時的で特殊な取引である」
そして、この設備の売却は、通常、固定資産が古くなったための除却とか、事業再編にともなう設備の刷新にともなう処分として行われたりするので、それなりに多くの費用や損失がでることが多いです。
この特殊な費用・損失を、従業員の給料や光熱費や交際費などの営業コストに含めるのは、やはり性質が異なる以上、無理がありますよね。
そこで、下記の業績の計算書(損益計算書といいます)の表示上、営業コストとしてではなく、「7特別損失62」の中に含められて表示されるのです。
<業績の表示例と、固定資産処分損(売却損・減損損失など)の表示場所>
損益計算書 (単位:億円)
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1売 上 高 960
2売 上 原 価 660(?)
営 業→ 3販売費及び一般管理費 180(?)
コスト ――――――――――――――
営 業 利 益 120
4営 業 外 収 益 30
5営 業 外 費 用 54(?)
――――――――――――――
経 常 利 益 96
6特 別 利 益 10
固定資産→ 7特 別 損 失 62(?)
処分損 ――――――――――――――
税引前当期純利益 44
法人税、住民税及び事業税 20(?)
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当 期 純 利 益 24
前期繰越利益(※去年までの利益) 136(+)
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当期未処分利益(※処分可能な利益) 160
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このように、売上高という、業績上最も大事な項目を最上段に書き、その下には、重要な順に費用やその他のもうけを少しずつ区切って表示していくのが、現代の業績表示の方法です。
なお、今年の4月から上場企業等で全面適用となった新会計基準「固定資産の減損会計」は、企業の持つ固定資産の将来の収益性が減少する場合に、その減少分を特別損失として費用計上し、資産価値を切り下げる処理です。去年くらいから、日経新聞でも、よくこの会計用語が取り上げられています。
今話題の減損会計は、損益計算書(P/L)の特別損失という区分に関連しますので、この機会に覚えておいてくださいね!
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