9月10日の日経新聞第12面で、固定資産に関連する費用・損失の話題が2つ、掲載されていました。
損益計算書との表示の関係を勉強する上で好材料と思い、とりあげました。
まず、自動車情報誌のプロトコーポレーションは、9日のニュースリリースで、平成17年9月期(平成18年3月期の中間決算)における業績予想を上方修正しました。
(業績修正の状況 表示:億円未満四捨五入)
前回予想 修正後予想 増 減
中間売上高 97.1 97.4 +0.4
経常利益 5.9 11.2 +5.3
中間純利益 ▲3.7 ▲ 0.1 +3.6
まず、今回の業績修正で、売上高の予想はほぼ変化がなかったのに比べ、経常利益(特別利益・特別損失を控除する前のノーマルな利益)は、なんと5.3億円も予想値が上昇しています。
その理由としては、ニュースリリースでは「外注コスト見直し等による売上高原価率提言効果に加え、広告宣伝戦略の一部見直し等により、当初計画を大きく上回る見込みとなっております。」とのことでした。
そして、経常利益11.2億円に対して、税引き後の中間純利益が▲0.1億円と、その落差が11億円以上ありますね。
この間に出てくるコストには、特別損失と法人税等の税金コストがあります。
なお、当社では、賃貸不動産に対して固定資産の減損会計を適用することから、6億円弱の特別損失を予定しているそうなので、11億円の落差の半分は、減損会計などによる特別損失が原因である、といえそうです。
次に、固定資産売却に伴い、特別損失が発生するケースです。
上記のプロトコーポレーションの記事のすぐ下に、中堅ソフト開発のインフォメーション・ディベロップメント社が、業績の下方修正をした、との記事が載っていました。(H17.9月の中間決算)
(インフォメーション・ディベロップメント 業績修正のプロセス) 億円
前回予想 修正後予想 増 減
中間売上高 57.9 62.2 +4.3
経常利益 1.8 3.4 +1.6
中間純利益 0.9 0.6 ▲0.3
ここで面白いのが、経常利益は前回予想よりも1.6億円増えていますが、中間純利益が逆に0.3億円(3千万円)減少していることです。
これは、「都内の独身寮2ヵ所を売却するのに伴い二億三千万円の特別損失が発生する。」(日経記事)ことに起因しているようです。
このように、固定資産の減損・処分による損失は、特別損失といって、経常利益から純利益を計算する過程で、控除されるのだ、ということを知っておいていただけるとよいでしょう。
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