親子上場をやめる会社が増加中!?

日経新聞の朝刊、10月6日の17面に、「揺れる親子上場」という題名で、非常に連結決算に関する興味深い記事がありました。

ここでのテーマは、「100%出資化の波」です。
かんたんにいうと、親会社と子会社が同時に上場している場合、子会社の少数株主の利益が、時として置き去りにされる、という日本の親子関係の特殊性を鋭く突いた論文となっています。

最近の現象として、親子上場をやめるケースが増えている、ということなのですが、その狙いの一つとして、「上場子会社を100%出資にして事業再編を加速したり、 少数株主に流出する利益を取り込む狙いがある。」ということなのですね。

9月26日は、石川島播磨工業や富士重工など5社が株式交換というテクニックを使って、上場子会社を完全子会社化しました。
子会社を100%出資化して上場をやめる理由として、一番多いのが連結経営の強化のようですね。
なお、親会社側の事情もさることながら、子会社にとっても、上場にあたっては、メリットとデメリットの両方が存在します。

●子会社側の、上場のメリットとデメリット
 メリット…資金調達力や信用の向上
      知名度がたかまることによる人材の確保
 デメリット…少数株主の利益が置き去りにされやすい。
       情報開示の負担が大きい。
       M&Aのリスクがある。

以上の中でも、上場していながら、親会社の存在があることで、その株を持っている少数株主の意思とは関係なく、親会社の意向による経営がすすめられる、ということもありがちですね。
このように、子会社の上場に関しては、従来からいろいろと異論がありました。
今後、親子同時上場について、新しい動きがどんどん出てくるかもしれませんね。

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