損益計算書のフォーム、平成18年5月以降に施行された会社法にしたがい、従来の「当期未処分利益」がなくなり、「当期純利益」という区分までとなりました。
※参考 損益計算書のフォームと、他の決算書との関係(会社法)
【 資 料 】
X社の財務情報
貸借対照表 (単位:億円)
―――――――――――――――――――――――
|現 金 預 金 300|短 期 借 入 金 540|
| |―――――――――――
|商 品 120|資 本 金 200
| |————
|建 物 480|その他利益剰余金160 ←←・
―――――――――――|――――――――――― ↑
総資産 900| 負債・資本 900 ↑
=== === ↑
↑
↑
株主資本等変動計算書(一部) ↑
――――――――――――――――――――――――― ↑
…|その他 |… ↑
|利益剰余金| ↑
―――――――――|―――――|―― ↑
前期末残高 …| 154 |… ↑
―――――――――|―――――|―― ↑
: | | ↑
剰余金の配当 …| ▲18 |―― ↑
: | | ↑
・→当期純利益 …| 24 |… ↑
↑ ―――――――――|―――――|―― ↑
↑ 当期末残高 …| 160 |→→→→→→→→→→→・
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・←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←・
↑
↑
損益計算書 (単位:億円) ↑
――――――――――――――――――――――――― ↑
1売 上 高 960 ↑
2売 上 原 価 660(-) ↑
3販売費及び一般管理費 180(-) ↑
―――――――――――――― ↑
営 業 利 益 120 ↑
☆テーマ→ 4営 業 外 収 益 30 ↑
☆テーマ→ 5営 業 外 費 用 54(-) ↑
―――――――――――――― ↑
経 常 利 益 96 ↑
6特 別 利 益 10 ↑
7特 別 損 失 62(-) ↑
―――――――――――――― ↑
税引前当期純利益 44 ↑
法人税、住民税及び事業税 20 ↑
―――――――――――――― ↑
当 期 純 利 益 24 →→・
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上記のように、損益計算書の計算結果である「当期純利益」は、すぐ上の「株主資本等変動計算書」という「貸借対照表・純資産の増減表」の中に組み込まれ、「その他利益剰余金」の計算結果として、利益の最終ストック、ここでは160億円が求められる、という流れになっています。
上記のような会社法の下での決算書の関連も重要ですね。
さて、本号では、損益計算書の営業外収益と営業外費用に、ちょっとスポットを当ててみます。
●営業外収益とは、毎期経常的に発生する収益で、本業以外の活動から生じるもののことです。
営業外で、かつ毎期経常的に発生する取引といえば、「預金や貸し付けや株式取得などの財務活動」ですね。
そうです。営業外収益の主なものは、財務活動から生じる収益です。(他の原因による営業外収益ももあります。)
<営業外収益の具体例>
・受取利息(預金の利息、貸付金の利息など)
・有価証券利息(保有中の債券の利息)
・受取配当金
・有価証券売却益
・有価証券評価益
・雑収益
●営業外費用とは、毎期経常的に発生する費用で、本業以外の活動から生じるもののことです。
主に、借入金の利息や、社債の発行に関する費用や、株式の評価損・売却損等の財務活動による費用が多い、という点では、営業外収益と同様の性質をもっています。
<営業外費用の具体例>
・支払利息(借入金の利息)
・社債利息(社債の利息)
・支払割引料(割引手形の手数料)
・有価証券売却損
・有価証券評価損
・雑損失
上記のような項目が、損益計算書の営業外収益や営業外費用に含まれています。
営業外収益と営業外費用をまとめて、「営業外損益」といいます。
営業利益に営業外損益を足し引きすると、計上利益という、日経新聞で、最もポピュラーな頻出の会計利益が求められます。
本業の成果+財務活動の成果ということで、企業の正常な状態における収益力を表す、とされています。
なお、営業外損益のうち、
「受取利息+受取配当金」-「支払利息+支払割引料」の差額を、「金融収支」と呼んだりしています。
金融収支がプラスだと、最も基本的な財務活動から利益が出ている、ということの証明になりますよね。
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