専門家報酬といえば、たとえば下記の支出が頭に浮かびますね。
1.弁護士報酬
2.税理士報酬
3.弁理士報酬
4.社会保険労務士報酬
5.コンサルティング業務報酬
6.監査報酬
会社経営に当っては、さまざまな場面で専門家の知識とノウハウが必要となります。
報酬の支払い方としては、依頼案件ごとに支払う臨時報酬の形式もあるでしょうし、毎月一定額を支払う顧問料の
形式もあります。
そして、個人の専門家に支払う時は、10%の源泉をして支払ったりします。
(例)A会計事務所に、1月の税務会計報酬として、
10万円(源泉1万円)を支払った。
B/S
―――――――――――――――――――――
↓現金預金 ▲ 9万円|預り金 1万円↑
|
|利益剰余金▲10万円↓←・
――――――――――――――――――――― ↑
資産計 ▲ 9万円|負債資本計▲ 9万円 ↑
===================== ↑
↑
P/L ↑
―――――――――――――――― ↑
1売 上 高 ×××万円 ↑
2売 上 原 価(▲) ××× ↑
――――― ↑
売上総利益 ××× ↑
↑
3販 売 費(▲) ××× ↑
一 般 管 理 費 ↑
・支払報酬 (▲) 10→→→→→・
―――――
営業利益 ×××
:
(以下省略)
上記をごらんいただいてもわかるように、P/L(損益計算書)は、B/S(貸借対照表)の利益に関する明細説明書です。
B/Sの右下、利益剰余金(さらに具体的には繰越利益剰余金)が10万円減少した理由(内容)は、一般管理費の一部として、という説明になるわけですね。
なお、販売費(販売活動で発生するコスト)と一般管理費(管理活動で発生するコスト)は、通常、ひとまとめにして「販売費及び一般管理費」として表示されます。
上記では、科目名は支払報酬としましたが、ほかに、専門家報酬とか、支払手数料などの名称で処理するケースもあります。
ご参考までに、監査の現場などでは、よく
「SGAの予実算をチェックして!」
のようにいわれますが、SGAというのは、
●Selling Expenses …(販売費)
●General&Adminisutrative
Expenses …(一般管理費)
の略語なんですね。
これは、英文会計の用語です。
ちなみに、監査上、SGAの予算と実績の比較は、分析的手続き上、とても重要です。
異常点の糸口が良く見つかりますので…
ともあれ、専門家に支払う報酬というのは、通常、一般管理費のひとつとして処理されるものだ、ということを知っておいていただければ、よろしいかと思います。
専門家報酬の額の大きさで、その会社がどの程度外部のプロを活用しているかがよくわかりますね。
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