ご注文と考える発想がなかなかないので気持ちはわかりますが、たとえば、喫茶店などに行ってお客さんがコーヒーを注文したときに、オレンジジュースを出す人はいませんよね。
あるいは、コーヒーにしても、アイスコーヒーとホットコーヒーがある場合、アイスコーヒーを頼んでいるのにホットを出す人はいません。
「ミルクと砂糖をください」と言っているのに、ミルクとガムシロップを出す人はいません。
このように、言われた注文に正確に応えなければお金はもらえません。
間違えたら、お客様からクレームがきます。
試験は、これと同じことなのです。
出題者の先生が「アイスコーヒーを出してくれ」と言っていたら、余計なことを考えないでアイスコーヒーを出しておけばいいのです。
ただ、出題者も「アイスコーヒーを出してくれ」とは直接言わないのです。
もちろん、ひっかけだってあります。
「今日は暑いから、苦いものが飲みたいし、カフェインが入っているものを飲みたい、でも熱いのは嫌だよね」などと、遠回りに言うのですが、それを聞いて「アイスコーヒー」と判断するのが試験問題です。
その表現から要求しているものを判断できるだけの知識があれば、あとは最低限の手順で要求されたものを出せばいいのです。
このように、問題文を出題者からの「ご注文」と考えます。
その「ご注文」を正しく読んで、その意図を汲んで、70パーセント答えれば合格なのです。
100パーセント答える必要はないのです。
商売ならば100パーセント以上応えないとお金はもらえませんが、勉強というのは7割でいいのです。
3割はミスをしてもいいのです。
たとえば、アイスコーヒーの注文を受けてミルクとガムシロップを付けるように言われたときに、ミルクを忘れた場合は、それでも20点減点される程度で許されるのです。
それが試験なのです。
試験の先生からの「ご注文」に応えようと思ったら、「メニュー」が必要です。
その「メニュー」とは、あなたの基礎知識です。
あなたの「メニュー」という基礎知識を十分に駆使して、70パーセント答えれば受かるのです。
ということは、必要なのは、出題者から注文されたことに対してその場で加工して素直に出せばいいのです。
そのためには、基礎力が大事なのです。
たとえば「割賦販売」と言われたら、繰延割賦売上利益を出せ、というのはほぼ間違いないのです。
出題者の注文どおり、繰延割賦売上利益を出せばいいのに、それを出さなければ「お金」はもらえません。
合格証書はもらえません。
受験生として、出題者の先生にサービスを提供するという発想でいくと、サービスをするためには準備が必要ですが、その準備にあたるのが、受験対策の勉強なのです。
このように、出題者の先生に対するサービスの提供という感覚で勉強をしてみてください。
そうすると、自分にはまだまだ1級の受験生という「商売人」としての知識もスキルも足りないと思ったら、頑張ればいいのです。
このように、違った視点で勉強を捉えてみるのも面白いです。
修行と思うとつまらないので、出題者の先生が試験会場に来て問題文を使って注文を出したら、それに対してきちんと答えればいいのです。
解答用紙に解答という名の「商品」を記入して、70点取れれば受かるのですから。
問題文を出題者の先生からの「注文書」だと思えばいいです。
注文書であれば一生懸命読みますよね。
なので、まずはしっかりと問題を読むということが大事なのです。
時には見方を変えて、問題文を「注文書」だと思って読んでみてください。
このように視点を変えて楽しみながら勉強をしてみてください。
私はいつもあなたの1級合格を心より応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
PREV
第8週のご案内
|
NEXT
第8週① 一日の取引を振り返ろう!
|