それぞれの取引を竹とんぼに書きますが、そのやり方などを学んでいきましょう。
進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
1日の取引と竹とんぼ関係について、それぞれの取引と関係する勘定科目があることはすでに確認しました。
今回は、それぞれの取引の資料から竹とんぼに記入をしていきます。
これを個別転記といいました。
先生、取引それぞれの資料には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
柴山:たとえば、○○屋さんからの掛け仕入には「納品書」があります。
ケイイチくんが喫茶ABCに対する掛け売上に関する資料として「送り状」があります。
ちなみに「納品書」と「送り状」は同じ意味ですので、どちらを使っても構いません。
それから、たとえば文房具などを買ったときの現金払いに関する資料である「レシート」や「領収書」があります。
そして、売上表があります。
ケーキは1個300シバで店頭販売しているので、300シバ×合計数量で1日の店頭の売上がでます。
これはヒントですので覚えておいてください。
では、これらの資料を見て竹とんぼに転記してみましょう。
資料と竹とんぼをお渡しします。
進行:先程説明をした、それぞれの取引に関係する資料を読み取って、竹とんぼに勘定科目と金額を記入しましょう。
ただ、結構難しいので、先生に少しやり方を教わりながらやっていきましょう。
柴山:まずは、それぞれの資料が何の取引だったのかを思い出してください。
○○屋からの材料の納品書は、掛け仕入だから、勘定科目は「仕入」と「買掛金」になる…というように、勘定科目を思い出してみてください。
喫茶ABCに対する売上は掛け売上なので、同じように、それに対する勘定科目を思い出してみてください。
レシートと領収書については、まとめて書いても、別々に書いても、どちらでも良いですが、ヒントとしては、どれも「消耗する物」ということです。
進行:売上表も結構難しいですけれど、先程、柴山先生が言っていたヒントが役に立ちます。
柴山:一番下に総合計がありますが、先程言った「1個300シバ×何個」というヒントが関係して、店頭の「何か」になりますね。
ここまで言えば大丈夫だと思います。
あとは勘定科目を思い出してください。
進行:それでは、作業スタートです。
…では、答えを見せてください。
苦労の跡がみえますね。
まず、竹とんぼの種類を見ると、「仕入」「配達売上」「消耗品費」「店頭売上」「買掛金」「売掛金」「現金」と、2人とも全く同じ勘定科目を書いています。
柴山:正解です。
そのまま模範解答として使えるぐらいですね。
よく頑張りました。
わからないのは最初だけで、2・3回やると、だいたいパターンがわかってきます。
誰もがこれを乗り越えて、できるようになっていくのですね。
進行:現金の竹とんぼの左右両方に金額が入るというのは初めてですよね。
柴山:そうです。
このようにして覚えていくのですね。
それでは、少し解説をします。
まずは、○○屋からの配達仕入の納品書ですが、これは掛け仕入で14,040シバです。
そして、喫茶ABCへの送り状は、掛け売上で21,000シバです。
売上表から読み取れるのは、現金での店頭売上で、1個300シバのケーキを96個売ったので、28,800シバになります。
そして、現金で払った500シバのレシートと2,160シバの領収書を合わせて、消耗品費が2,660シバになります。
これらを帳簿に転記するとどうなるかというと、まず1番目は、○○屋から掛けで14,040シバ仕入れたので、「仕入」と「買掛金」になります。
買掛金はプラスが右側にくる4つの仲間のうちの1つでしたよね。
ですから、買掛金の右側に14,040と書きます。
進行:セットで書くと楽なのですね。
柴山:そして2番目は、喫茶ABCに1個210シバで100個配達したので、掛け売上になるので「売掛金」という権利になります。
したがって、売掛金の左側に21,000シバを書いて、配達売上の右側に21,000シバを書きます。
3番目、今日の店頭売上は96個だったので、1個300シバ×96個で28,800シバになりますから、店頭売上は現金で受け取るので、現金の左側に28,800シバを書いて、店頭売上の右側に28,800シバと書きます。
慣れてきてリズムよく左右に書いていけるようになると、簡単になります。
4番目、消耗品費の支払は500シバと2,160シバですが、これはそれぞれ分けて書いても構いません。
分ける場合は、現金の右側に500シバと2,160シバを書いて、消耗品費は左側に500シバと2,160シバを書きます。
もかさんのように、1つにまとめて消耗品費の左側に2,660、現金の右側に2,660と書いても正解です。
それぞれ分けて書くのも、1つにまとめて書くのも自由です。
解説は以上です。
2人とも頑張ってくれました。
最初はわからなくても、2・3回練習するとできるようになってきますから、安心してください。
2人とも着実に進歩していますから、大丈夫です。
柴山:1番目、材料の掛け仕入れは「仕入」と「買掛金」の竹とんぼを使います。
2番目、売上の取引は、納品書、レシート、売上表を見て記録します。
3番目、費用の支払いは、レシートや領収書を見て記録します。
進行:まとめだけを見ると簡単そうですが、すべてを帳簿に書くと結構大変でしたね。
もかさんはどうでしたか?
もかさん:すごく難しかったですが、すべて今までやってきたことなので、忘れたところをきちんと見直したいなと思いました。
進行:りょうたくんはどうでしたか?
りょうたくん:大変すぎて何も言えないです。
柴山:練習して初めてわかることもありますよね。
勉強でも何でもそうですが、やはり練習が大事なのです。
進行:柴山先生、明日の内容を教えてください。
柴山:明日は「竹とんぼのまとめ表をつくろう」です。
帳簿をつけるのは取引の交通整理をするためということは、ステップ1の第1週目にお話しました。
でも、その取引が多くなると、いくら交通整理役の竹とんぼといっても、ごちゃごちゃしてわかりにくくなったり、ミスをしやすくなったりします。
そのようなミスや混乱を防いで、もっとわかりやすくするための、スッキリした表の作り方を学びます。
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手元にある現金の残高は確認しましたが、これで作業がすべて終わったわけではありません。