帳簿をつけるのは取引の交通整理をするためということは、ステップ1の第1週目にお話しましたが、その取引が多くなると、いくら交通整理役の竹とんぼといっても、混乱してわかりにくくなったり、ミスをしやすくなったりします。
そのようなミスを防いで、もっとわかりやすくするための、スッキリした表の作り方を学びましょう。
進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
1日の取引を集計して全体を確認する竹とんぼのまとめ表、それが「日計表」です。
もう1つ作らなければいけないものがあるので、ケイイチくんも乗り気ではないかもしれませんね。
先生、日計表とはどういうものなのでしょうか?
柴山:日計表とは、その日に起こった取引の金額を、勘定科目ごとに合計した表のことです。
もかさん、りょうたくん、この表を見た印象はどうですか?
もかさん(以下、もかさん):竹とんぼよりもスッキリしている感じがします。
りょうたくん(以下、りょうたくん):書類のような感じがします。
柴山:たしかに、竹とんぼが並んでいるよりはわかりやすいという印象がありますが、日計表を作るメリットをお話します。
まず、スッキリして1日の取引の全体像がわかりやすいということです。
竹とんぼは少なければいいですが、多すぎるとまとまりがなくなってしまいます。
でも、それを1つの表にまとめると、1日の取引がひと目でわかるようになります。
それと、この表を使うと、左右の合計額が必ず合うので、記入ミスのチェックが簡単にできます。
進行:では、竹とんぼの内容を日計表に書いてみましょう。
昨日はそれぞれの取引に関係する資料から竹とんぼに個別転記してもらいましたが、今回はそれを日計表のほうに移してもらいます。
昨日、いろいろやったので、今回は楽ですよね。
では、お願いします。
…では答えをどうぞ。
2人とも、今回は落書きをする余裕があるくらい、簡単に答えることができましたね(笑)
2人とも、一番下は左右同じ66,500シバですので、これは合っているのではないでしょうか。
柴山:完璧ですね。
キッズBOKIの講師の立場というより、個人的に驚いています。
2人はもうわかっていると思いますが、これは竹とんぼの左右の金額をそのまま表に書き写すだけです。
日計表を書いてどう思いましたか?
もかさん:この竹とんぼがあるからこそ、日計表が書けたと思います。
柴山:りょうたくんはどうですか?
りょうたくん:同じ意見です。
柴山:竹とんぼで相当苦労しましたが、その苦労があったから日計表が書けるということですよね。
りょうたくん、日計表を作るのは楽でしたか?
りょうたくん:すごく楽でした。
柴山:簿記教育をしている人間としても新たな発見がありましたので、今度、学会で発表したいなと思うくらいです。
ともあれ、日計表は1日の取引がひと目でわかるだけではなくて、全体のチェックもできます。
日計表を作っているときに、左右の合計が一致すると思っていましたか?
もかさん:日計表の合計を出す前に、竹とんぼの数字と合っているか見直したときに、なぜ数字が揃うのかというのがわかりました。
柴山:りょうたくんもそうですか?
りょうたくん:はい。
柴山:だから、なぜ竹とんぼの右がプラスになるパターンがあるのかという意味もわかりましたよね。
では、どこかを書き間違えた場合はどうなると思いますか?
たとえば、桁間違いといって、配達売上の取引で、本当は売掛金は21,000シバになるところを間違って2,100シバと書いたら、左右の合計の数字が合わなくなってしまいます。
そのような間違いがあるかどうかは、合計の左右の数字を見て確認することができるのです。
毎日このチェックをすると、書き間違いがその場ですぐにわかります。
だから、日計表というのはとても大事なのです。
柴山:1番目、「日計表」とは、1日の取引の合計を集める表のことです。
2番目、日計表を作るメリットは、全体の取引がひと目でわかることと、記入ミスがわかることです。
3番目、複式記入を間違えると、日計表の左側の総合計と右側の総合計が一致しなくなります。
進行:今日の学習を振り返ってどうでしたか?
もかさん:資料から竹とんぼを作る苦労と比べたら、とても楽でした。
昨日頑張らなかったら、日計表はできなかったので、苦労した甲斐があったと思います。
りょうたくん:日計表を書くことによって、ミスがすぐわかるというのがすごいと思います。
進行:そうですね。
このような素晴らしい表があるのですね。
柴山:今日ほど教材を作っていて良かったなと思った日はないですね。
昨日とは全く違って、希望に満ちあふれた顔ですね。
簿記を少しでも楽しいと感じてくれれば嬉しいです。
進行:先生、明日の学習内容を教えてください。
柴山:明日は第8週のまとめです。
今週はお店を閉めた後の1日の取引の集計について、いろいろな作業のやり方を学んできましたが、そのまとめをします。
いくらお店が繁盛をしても、取引の記録や集計がしっかりしていないとお店は長く続きません。
そのためにも、集計のポイントを簡単にまとめてお話します。
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