柴山政行氏(以下、柴山):使っている設備は毎年少しずつ古くなって価値が下がっていくことが前回でわかりましたが、具体的にどれくらいの金額で下がっていくのかを、計算して帳簿に残さなければいけません。
今回はその計算の仕方を学んでいきます。
進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
そして、この番組を見ているあなたも、わかりづらいところがあったら、繰り返し見て勉強していきましょう。
まずは昨日のおさらいからです。
キッズベーカリーで使っている配達用の自動車は、毎年、少しずつ価値が減っていって、6年後には価値がゼロになりました。
この価値がゼロになるまでの年数を、予想される設備の寿命「耐用年数」といって、法律で決められていることがわかりました。
ちなみに、自動車の耐用年数は6年です。
そして、ここからが今日のお話です。
毎年価値が下がっていく設備を金額に表さないと、帳簿には書き加えられません。
そのやり方なのですが、もかさん、りょうたくん、何か良いアイデアはありますか?
もかさん(以下、もかさん):同じ金額ずつ減らせばいいと思います。
柴山:どうしたら同じ金額になりますか?
りょうたくん(以下、りょうたくん):割り算をします。
もかさん:買ったときの値段の400,000シバを6で割った金額ずつ減らすということです。
進行:では先生、正解をお願いします。
柴山:完璧ですね。
私が説明することは何も無いくらいです。
今の2人の説明でほとんど答えを言っていますが、一応説明すると、誰でも納得できる、わかりやすい計算方法であれば、みんなに受け入れてもらえますよね。
なので、もかさんが思いついたように、6年で400,000シバを同じ額ずつ減らします。
では、これを実際に割ってみましょう。
手元の電卓で400,000シバを6年で割ってみてください。
もかさん:66,666.666666……
柴山:そうです。
実は、今回は割り切れないようにしてあります。
この場合は、四捨五入をして66,667シバでどうでしょうか。
そういうことで、毎年66,667シバずつ減っていくと考えると、1年後には、400,000から66,667引いた金額が帳簿上の自動車の金額になります。
では、いくらになりますか?
りょうたくん:333,333シバです。
柴山:そうですね、333,333シバになります。
毎年同じ金額ずつ減っていくと、わかりやすいですよね。
進行:設備の価値の計算方法は意外と簡単なことがわかりました。
これならもかさんとりょうたくんも簡単にできてしまいますよね。
ということで、ここで問題です。
3年、4年、5年後の価値を求めてみましょう。
400,000シバで買って、毎年66,667シバずつ価値が減っている、キッズベーカリーの配達用の自動車ですが、買ってから1年後の価値は333,333シバでした。
価値がゼロになるまでの毎年の価値を計算してください。
これは難しくは無いですよね?
柴山:難しくはないと思いますが、もしかしたら最後に落とし穴があるかもしれないので注意してください。
進行:最後に落とし穴があるというのがヒントになります。
それではスタート。
…では答えをお願いします。
2人とも同じだけ下がっています。
柴山:どちらも完全に正解ですね。
説明の必要すらないのですが、一応説明をしますと、1年目から4年目までは毎年66,667シバずつ下がっていきますが、最後の年は66,667を引いてしまうとマイナスになってしまうので、調整して66,665になります。
最後の調整が「落とし穴」だったのですが、余裕で答えられましたね。
このように、毎年一定の金額だけ価値が減ると考えて計算する方法を、簿記の世界では「定額法」といいます。
定まった金額の方法、すなわち「定額」だけ価値が減ると考えて計算する方法です。
最後の年は、ゼロになるように金額を調整します。
これで設備の価値の計算方法は完璧ですね。
柴山:1番目、毎年同じ金額ずつ価値を減らす方法を「定額法」といいます。
2番目、400,000シバを6年で割ると、毎年の車両の減少額は66,667シバ(小数点を切り上げ)になります。
3番目、1年後の車両の価値は333,333シバに価値が下がると考えられます。
進行:定額法について勉強しましたが、簡単でしたね。
柴山:長年、簿記教育に携わっている私として、こんなに簡単に答えられるとは思っていませんでした。
進行:難しかったのは「減価償却」という漢字だけですかね。
りょうたくん:あれは書けないです。
柴山:むしろ、それだけですからね。
今回は私も勉強になりました。
進行:柴山先生、明日の内容を教えてください。
柴山:明日は「価値が減ったらどう書くの?」というお話です。
使っている設備の価値が毎年どれくらいずつ下がるのかということはわかりましたが、今度は、それを帳簿に書き写す作業をします。
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