柴山式では、残り3か月前後で過去問を徹底的にやってもらうように、3月上旬から中旬にかけて過去問をご提供しています。
最近は日商検定1級を中心に、過去問についてのご質問が増えてきています。
そのうちの1つに、基本的な処理の手順は出来ているけれども、問題文をどのように読んで良いのかがわからないという内容のご質問があります。
これは問題文に対する経験不足なのです。
そのような方は、「堅い文章」に触れていないから読解力が落ちている可能性があります。
たとえば、大学受験では現代文などで難しい文章に触れる機会があるので、一時的に読解力が上がるのですが、しばらくやらないと落ちてしまうのです。
例題が解かせるために親切に問題文を作っているのに対して、日商簿記検定1級は「落とす試験」なので、一部の資料を隠して推定させたり、色々な工夫を凝らしたりして、「落とし穴」を設けているのです。
つまり、間違えさせるような罠をたくさん仕掛けてあるのが過去問なのです。
その文章をしっかり読むということは、出題者の意図を読む練習になります。
現代文の読み込みの練習と同じです。
論文や小説などは、絵本のように一から十まで説明はしてくれません。
行間を読んで趣旨を読み取るというのが大人の文章です。
つまり、過去問というのは堅い文章を読みこなす練習になります。
過去問に関する質問で、文章の読み込みの甘さに起因するような相談が4割以上はあります。
堅い文章を読むことに慣れてしまえば、1級はいけてしまいます。
世の中には堅い文章が多いです。
ましてや経理実務では、契約書、領収書、請求書といった書類がたくさんあります。
ビジネスの書類は読みにくいものばかりです。
そのようなわかりづらいものをそのまま文章として体現したものが過去問だと思ってください。
過去問を読むことで実務の文章に慣れるというふうに思って、国語の勉強のつもりで過去問の問題文を読んでみてください。
私は、過去問は最初の2回目ぐらいまではインプットだと考えていますので、問題文を読むことで国語力や会計用語の知識をアップさせるつもりで勉強してください。
それ自体があなたの教養を高める、1つの勉強なのです。
過去問は1級の試験対策だけではなく、あなたの国語の能力を鍛える教材としても使えますので、ぜひ頑張ってください。
私はいつもあなたの1級合格を心より応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
PREV
3級合格から1年以上経っている方のリハビリ法
|
NEXT
商簿と工簿を並行して勉強すべきかどうか?
|