キッズ簿記第11週③ 1年のもうけを計算しよう!

【キッズ簿記(BOKI)Step3】

今日は「1年のもうけを計算しよう!」です。

柴山政行氏(以下、柴山):減価償却費の金額の修正も終わって、これで、ようやく12月31日時点のキッズベーカリーの合計残高試算表が完成しました。

果たして、開業1年目はどれくらい儲けが出たのでしょうか。
そういったことを計算していきたいと思います。
儲けの額がひと目でわかる表を作って、キッズベーカリーの成績も発表します。

進行:今回ももかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
そして、この番組を見ているあなたも、わかりづらいところがあったら、繰り返し見て一緒に勉強していきましょう。

決算日の後に行う確定申告書の作成に向けて頑張っているケイイチくんですが、修正後の試算表を作り終わりました。

いよいよ次はお店の通信簿を作ります。
キッズベーカリー開店1年目の儲けの額、つまり、利益を出すわけです。

柴山:毎日一生懸命ケーキを焼いて、毎日売ってきたケイイチくんの1年間の結果がついに出ます。
では、どうやって利益の額を出すのか、その方法を説明します。

そもそも、利益とは、入ってきたお金から出ていったお金の差額だと思ってください。
これを図を使ってわかりやすく説明します。

まず、完成した試算表の両端の、残高の部分を切り離して、両側の端っこにもっていきます。

そして、これだけを改めて勘定科目の左右に貼り付けると、残高だけを表した、日計表に似たシンプルな試算表が完成しました。
これを「残高試算表」といいます。

残高試算表は、月ごとの合計はわからなくても良いから、いくら残ったのかということだけに焦点を合わせて知りたいときに便利です。
余計な情報を除いているから便利なのです。

お店の通信簿である開業1年目の利益は、この表を使って簡単に金額を求めることができるのです。
これで第1段階は終了です。

進行:残高試算表から、キッズベーカリーが開業1年目で儲けた金額を出していくということですが、今までの表ではわからないということなのですか?

柴山:実はわかるのですが、利益の項目が無いので、ひと目ではわからないのです。
利益を求めるためには、ここから電卓で計算をしないと利益がわからないので、少し面倒なのです。

進行:利益がひと目でわかるような表を作ろうということなのですね。

柴山:そうです。
第2段階では、売上や費用を切り分けて計算しますので、ここでもかさんやりょうたくんにも手伝ってもらおうかなと思っています。

進行:ここで問題です。
試算表のなかで、収益と費用はどこにありますか?

柴山:まず、もかさんに質問ですが、収益はどこにありますか?

もかさん(以下、もかさん):配達売上と店頭売上です。

柴山:そのとおりです、即答ですね。
収益は、現金や普通預金などのお金が入る原因を作るものです。
では、次にりょうたくんに質問ですが、このなかで費用はどれですか?

りょうたくん(以下、りょうたくん):仕入と減価償却費とその他の費用です。

柴山:そうですね。
これで、収益と費用はわかりました。
そこで第3段階です。

試算表から、今答えてくれた収益と費用を切り離して、それぞれの合計を一番下の欄に書き入れます。
しかし、これでは左右の金額が合いません。

進行:こういう集計表は左右が揃うのが大原則だったと思いますが……

柴山:いいところに気がつきましたね。
このままでは成り立たないので、何かを埋める必要があります。

それがもうけ(利益)なのです。
総合計の左右の差し引きで計算します。

その結果、利益は2,917,883シバになります。
そして、左右の合計はそれぞれ12,212,100になります。
このようにして利益を出すのです。

ちなみに、この表の正式な名前は「損益計算書」です。
またお経のような名前が出てきましたが、これも言葉を「損益」と「計算書」に分解すればわかりやすいです。

「損益」の「損」とは損をしたという意味で、「益」は利益のことです。
損をしたのか、利益が出たのかを確かめるための計算書と考えてください。
この損益計算書をしっかり覚えて、使いこなせるようになって欲しいと思います。

レッスン53のまとめをお願いします。

柴山:1番目、収益には「配達売上」と「店頭売上」がありました。
2番目、費用には「仕入」「その他の費用」「減価償却費」がありました。
3番目、損が出たか、利益が出たかを計算する表の名前は「損益計算書」です。

進行:損益計算書という新しい表が出てきましたが、今回はどうでしたか?

もかさん:パズルのような感じがして面白かったです。

りょうたくん:ケイイチくんの利益だけではなく、ABC喫茶の利益も知りたいです。
4店舗経営しているから、1,000万ぐらいはいってそうですね。

柴山:たしかに、ケイイチくんのお店が1店舗で290万ですから、そういう予想もできますよね。

進行:先生、明日の学習内容を教えてください。

柴山:明日は「どんな財産があるかをチェック!」というお話です。
いくら儲けが出たのかだけではなく、お店の財産がどれぐらい残っているのかも知りたいので、財産の残高がどれくらいあるのかを計算する方法を一緒に勉強したいと思います。

進行:それでは、また明日。

一同:簿記はパズルだ!

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