やることを絞って反復するほうが、あなたの血となり肉となって、応用が利くのです。
答えを覚えるくらいまでやってほしいです。
最初から覚えようとするのはダメですが、結果として覚えてしまうくらいに練習するのはOKです。
問題を見ただけで答えまでの道筋が思い浮かぶのが基礎力です。
「問題を覚えてしまうくらいやっても本当に良いのですか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。
むしろ覚えるぐらいやってみてください。
真実を言うと、覚えるくらいまで出来る人は全体の5パーセントもいません。
「問題を覚えてしまっていいのですか?」と聞く人の98パーセント以上は覚えることはできません。
「気がついたら覚えていた」という人は、効率の良い方法を考えていて、全体の2パーセントくらいです。
会計士も同じで、問題集1冊を隅から隅まで完璧にして、本番の試験でその範囲が出たら解ける状況にすれば、だいたい受かります。
過去問からエッセンスを抽出しているので、そのエッセンスを自分の血や肉として、縦横無尽に知識を使えるようになったら合格できます。
あとは、過去問で問題の出し方に慣れてしまえば受かるのです。
10回分の過去問を3回転から5回転してほしいです。
柴山式で最近2・3年に合格している方のデータを取ると、14回分を3・4回転している方が多いです。
なかには7・8回転している方もいますが、だいたい3回転から4回転すると70点前後をクリアできるようになります。
これまでの経験で、5回分を3回転ぐらいして合格した方もいますので、個人差はあります。
しかし、過去10回分ならば4回転、14回分ならば3回転以上することをおすすめします。
これが最低限の土台です。
あとは、すべての例題を3回転して、苦手なものは5回転以上か、場合によっては10回転してもいいと思います。
とにかく解きまくります。
このときに気をつけて欲しいのは、3回4回とやっていくうちに惰性になってしまって、解答時間が変わらないことがありますが、解けば解くほどスピードアップできるようになってください。
柴山式の例題では1個あたり5分や10分といった目標時間を提示していますが、目標時間で解けるようにしてください。
解けるようになったらやっとAランクの下のほうのAダッシュです。
さらに、目標時間10分のものなら8分といった、8掛けで完璧にできるようになるとAランクの中から上になります。
だから、問題を見た瞬間に解答手順が思い浮かぶくらいに練習すると、本番で役に立ちます。
慣れてきたら、大事なところだけを手で書いて、あとは頭の中で思い浮かべます。
ショートカットできるようになると、問題を解くスピードが速くなります。
まずは計算プロセスを理解した上で、省略できるように練習を重ねます。
最初の2回転ぐらいまでは時間を気にしなくても良いですが、3回転目ぐらいからは、目標時間を決めて時間を計ってみてください。
柴山式の場合、たとえば商業簿記の過去問ならば資料が10個くらいあるのですが、それを1個3分で処理するように決めます。
このトレーニングを毎日やって、50回100回と繰り返してやっと本番で使えるようになります。
普段何十回とやってないことは本番で出来るわけがありません。
過去問が苦手な人というのは、問題文の資料の処理について制限時間を決めていないのですが、時間は決めてください。
最初は間違えてもいいので、とにかく時間内で解くトレーニングを何十回何百回と繰り返してください。
例えるならば、野生の動物同士が初めて出会って、相手の力量を見て命がけの戦いをするときに、場合によっては逃げることも大事なのです。
それは、難しい問題を飛ばすということです。
問題の難しさと自分の能力を比べて、どのように問題を処理するかを見極める能力が実力なのです。
簿記1級や会計士レベルの試験は落とす試験なので、問題に張られている罠を見抜く力というのは普段の練習で身に付けるのです。
だから、例題を見た瞬間に、どういうストーリーで出来るのかという、ゴールまで見据える能力を身に付けます。
限られた時間で解こうとする意識が働かないと、ストーリーを見渡そうとしないのです。
漫然と解こうとしてはいけません。
だから、解くときには時間を気にしてください。
問題の難易度を予測する能力にも繋がるので、今日から、例題や過去問の資料など、すべてについて時間を決めて問題を解いてください。
時間を意識して問題を解くだけで、あなたの普段の勉強の質がぐんと上がります。
これからは、量に加えて質も高めましょう。
私はいつもあなたの簿記1級合格を心から応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
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