簿記学習、過去問は、解くものではなく身につけるもの

こんにちは。

毎日元気に簿記1級を勉強していますか?
あなたの簿記1級合格を応援している、公認会計士・税理士の柴山です。

今回は「過去問は、解くものではなく身に付けるもの」というテーマでお話をしたいと思います。

毎回、日商簿記検定1級の試験2か月前程度になると、本格的に、過去問に取り組む方が多いと思います。

私は20年以上前から簿記の講師として教壇に立っていますので、40回分くらいは毎回のように簿記検定の受験生の方と向き合ってお話などをしています。

毎回、ほぼ9割の人が言うのが、インプットと復習がある程度終わった状態で過去問をやっても点数が取れないのです。

取れても20点、だいたい1桁です。
9割方できません。
そして落ち込むのです。

なぜかというと、みなさんは、一通り勉強したら過去問は解けるものだと勘違いしてしまうのです。

これは、中学校や高校で行う中間テストや期末テストと同じ感覚で過去問を解いているからです。

中間テストや期末テストは範囲が指定されていますので、あれは実力テストではなく、単なる復習テストです。

復習テストは範囲がわかっているから点数が取れるので、7割8割取っても、何にもならないとは言いませんが、実戦には役に立ちません。
しかし、簿記1級の過去問は範囲がわかっていません。

学校の中間テストや期末テストは毎回すごく成績が良いのに、実力テストは全然ダメという人がいますが、それは、範囲が決まっていないテストに対する免疫がなかったり、実力テストの解き方がわかっていないケースです。

中間テストや期末テストの成績と実力テストの成績は必ずしも一致しないケースがあります。
少なくとも私が通っていた学校ではそうでした。

私はどちらかというと、中間・期末テストは得意ではないけれど実力テストのほうが順位は高かったです。

私は実力テスト向きの勉強をしていたのでしょうが、ともあれ、過去問や本試験というのは、どこから出題されるかわからない実力テストです。

その場合は、過去問の傾向と対策から入るべきなのです。
そのときに、一通り基礎レベルのインプットが終わったからといって解けるほど甘くはないです。

だから、解けないのが当然です。

前回もお話しましたが、過去問は0点でもいいのです。

問題なのは、それに対する考え方です。
過去問を力試しの場だと考えるからダメなのであって、過去問は学ぶもの、吟味するもの、覚えるものです。

覚えるというのは、最初から暗記をするわけではなく、何回も取り組んでいるうちに気がついたら答えを覚えているということです。

それでいいのです。
それで受かっているのです。

あとは、これまでのみなさんがお持ちの価値観との戦いです。
過去問を覚えたって力は付かないと思っている方は多いですが、それは違います。
過去、何百人とそのような質問をされる方がいらっしゃいました。

「柴山先生、過去問を10回解いたら答えを覚えてしまいますが、答えを覚えているのに次に解く意味があるのですか?」と質問をする方がいますが、これは根本的に間違っています。

過去問は解くものではなくて、テキストの延長なのです。
インプットとはいわないですが、過去問を使って本試験でどのような問題が出るのかを学ぶのです。

同じ問題は出ませんが、同じ考え方は何度も出ます。
そもそも過去問ができない人に、本番の試験はできるわけがないのです。

だから、時間の無い場合は過去問を重視しているのです。
年間1,000時間取れて、1日3時間の勉強を1年間続けられるような人であれば、どんな勉強法でも受かります。

専門学校の難しめの模擬試験で7割8割を取って受かっても構いませんが、それはある意味で遠回りです。

なぜかというと、一般的なカリキュラムだと満点を狙いにいくため、範囲が広いからです。
満点を狙いにいくので、内容が多すぎるのです。

それならば1,000時間ぐらいかければいけます。
しかし、忙しい社会人にそんな時間はありません。

最低300時間、できれば400から500時間で受かりたいと思うのが普通です。
そのような方に、できるだけ確実に7割以上取るというカリキュラムに削ぎ落としたのが柴山式の勉強法です。

柴山式の場合ならば、基本問題と過去問取り組むだけで十分に間に合います。
このやり方で実際に毎回受かっています。

公認会計士や税理士を受ける場合でも、簿記1級で7割を取れなければ話になりません。
そうしたら、割り切ってその勉強法に特化してください。

過去問は解くものではなく、ある意味、資料であって、覚えるものです。
先日インタビューをした若手税理士の方は25回やったらしいです。

さすがにそこまでやる必要はありませんが、最低5回、苦手な問題は8回ぐらいやってもいいです。

すぐにできた問題は2・3回でもいいですが、全部の過去問を2回ぐらいしか解かないから受からないのです。

だから、できれば10回分の過去問を最低4・5回転してください。
そうすれば、「過去問の答えを覚えたら意味がないのではないか」などという質問は二度と出てきません。

なぜなら、効果があるからです。
その後に質問が出ないのは2パターンあって、やらない人がその後に質問のしようがないパターンと、やってみてできるようになったら質問する必要がなくなるパターンです。

過去問は覚えてください。

覚えるというのは、最初から丸暗記するということではなくて、「過去問の問題文を見る」「解説を読む」「答えを書き写す」という3段階の勉強をコツコツ4・5回転することによって、結果的に覚えるということです。

結果的に答えを覚えてしまえば、あなたはもう大丈夫です。
したがって、過去問はだいたい5回転はするものだと思ってください。

それを10回分から14回分やったらかなり力が付きます。
ぜひ、過去問プラス例題で合格するという感覚を体験してください。

過去問を力試しだと思ってやってはいけません。
過去問は解くためにやるものではなく、覚えるためにやるのです。
ぜひ、この考え方を活かしてください。

あなたの効率的な簿記1級合格をいつも応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

PREV
簿記学習、1回転目の過去問で「0点は普通」です
NEXT
今から1カ月半で、初心者でも簿記2級に合格可能です