「わかる」を積み重ねると「できる」に変わって、「わかる」「できる」から「楽しい」に、劇的に変わってきます。
時々こういった「わかる」「できる」「楽しい」の域にいった方を目の当たりにすると、講師をやっていて良かったなと思います。
2013年のはじめから、柴山式をマイペースでコツコツ勉強している方いらっしゃいます。
10か月ぐらいの勉強期間を用意できるならば、1日3時間などの勉強をしなくても、それなりに簿記1級の勉強がわかってきて、楽しくなります。
もちろん、短期合格もOKですが、あなたの生活にスタイルに合わせて、10か月ぐらいの勉強でもOKなのです。
ご自身に無理のないようにやってください。
「わかる」から「できる」に変わり、そして「できる」から「楽しい」に変わります。
ご質問のケースをお話しますと、今年の初めから10か月程度勉強をして、今度の11月に受けるわけですが、柴山式のインプットをある程度やって、過去14・5回分の過去問を4回転して、かなりできるようになってきているらしいです。
ここまでくると「わかる」から「できる」に来ているので、勉強が楽しいはずです。
色々わかるようになってきて、問題も解けるようになってきて、「楽しい」というのが文面からわかるのです。
そこでの質問が面白くて、過去問に関してはかなりやったので、惰性になっているのです。
そうなると、かなり合格が見えてきて、簿記1級で戦えるという自信が出てきます。
合格・不合格は運もありますが、できるだけ受かる可能性が高い状態にいけるという確信がもてると、自信に繋がって、もっと勉強が進みます。
こういった質問があった場合、まず、「わかる」の段階から「できる」になってきているのです。
過去問を4回転ぐらいやって、かなり「できる」に近づいていました。
そうすると、問題の答えが解けます。
逆にいうと、慣れてしまっているので、計算プロセスを省略してしまっている自分がいることに気付いて、「何か別の新しい勉強ができませんか?」という質問が出てきました。
こうなるとかなり前向きです。マンネリ化を打破したいので何か刺激が欲しいというのはOKです。
しかし、過去問はまだ全然解いていないけど、できないから、このやり方が合わないと思うから他のやり方を探すというのはダメです。
今回のご質問のように、一通り問題を解いてしまって、新しいものをやってみたいという方に提案したのは、専門学校の模擬テストを受けてみたり、大手の良さそうな問題を2つ3つ選んで解いてみるのもいいです。
ただ、基本の過去問は逸脱しないように、上手くバランスを取ります。
何が言いたいのかというと、できるようになるには一定の努力量が必要だということです。
「わかる」というプロセスが必要なのですが、ここで矛盾が出てきます。
「わからないところが出たら、とりあえず先にいきましょう」と言っています。
それを聞くと「わかるようにしないと『わかる』→『できる』→『楽しい』にならないですよね?」という矛盾が出てきます。
そこがまさに本質で、実は、ある論点を1回転目している途中でつまずいた場合、つまずいた所というのは、1回転目のその部分のあなたの経験値や実力では到底敵わない論点に出会ったのです。
つまり、今のあなたにはどうやってもわからない論点なのです。
あるいは、それをわかるためには相当なストレスが溜まるということです。
ということは、今のあなたの実力には合わない論点に出会ってしまったのです。
でもそれは、カリキュラム上、しようがないのです。
どんなカリキュラムをしても、途中のテーマで、今の1回転目の実力では歯が立たない論点はたくさんあるのです。
「わからない」と悩んでいる状態が勉強時間の多くの占めてしまうことが問題だと、私は言っているのです。
逆にいうと、1時間の勉強のうち、50分がわからない状態だったら嫌ですよね?
それが、わからない問題をわかろうとする、苦しい努力なのです。
だから、「わかったつもりで先に行け」というのは何を言っているかというと、わからないことは気にしないで、わかるところだけを意識して、1時間のうちのせめて40分ぐらいは「わかる」という気持ちで過ごしてほしいのです。
だから「わからないところは見ないで」と言っているのです。
ここが本質なのです。
「わかる」という気持ちで勉強時間を過ごしたほうが、精神衛生上も良いですし、できないものも、繰り返していくうちに必ず「わかる」に変わります。
だから、今の段階で手に負えない論点をわかろうとすることが、義務教育の呪縛なのです。
これが「わかったつもりで先に行く」の本質です。
したがって、「わかる」は「できる」なのです。
そうすれば、2回転目では、わからないところは残り7割です。
段々できるようになります。
だから、わからないものは気にしないで先に行くのです。
もちろん、少しは考えたほうが良いです。
少し考えてすぐわかるならば、それはOKです。
わかる論点に意識をしながら、わかる論点をどんどんこなしていく内に、前回わからなかったことがわかるようになります。
だから早く回転してほしいのです。
1回転した後に、わからなかったところに取り組むあなたと、1回転目で何もわからない状態のあなたでは、全然レベルが違うのです。
レベルが上がってから2回転目に挑戦すれば良いじゃないですか。
大事なのは、1時間の勉強の中で50分「わからない」という状況を作ってほしくないのです。
だから「わからない所は見ないで」と言っているのです。
「わかったつもりで先に行こう」というのは、「わかる」という気持ちを多くしてほしいのです。
今回のテーマは、本質は、わかればできる、「わかった」の積み重ねが「できる」に繋がり、できるようになったら楽しくなるということです。
1時間のうち、最低40分は「わかる」という状況にしてほしいです。
だから、わかるところだけをやってください。
「わかったつもりで先に行く」というのは、わからないところは放っておけというわけではありません。
いずれは手がけますが、今はその時ではないということに気付いてほしいのです。
「わかる→できる→楽しい」の、プラスのスパイラルで楽しく勉強していきましょう。
私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
「わかる」から「できる」、「できる」から「楽しい」へ。
ぜひ、一緒に、楽しく、簿記1級の合格をめざしましょう。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
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柴山式の指導法として色々なことをお話していますが、その根底には常にこの考え方があります。