「第1の習慣」から「第3の習慣」までは自立するための習慣で、自立状態に至ることができたら第1ステップは終了で、第4から第6の習慣までで相互依存、つまり協力関係を築くことについて書かれています。
「第3の習慣」で大事なことを優先する、何が大事かということを伝えるためのひとつの道具として、「緊急重要度マトリックス」というものが紹介されています。
これはネットなど色々なところでも紹介されていて、とても便利なものです。
今回は、これをドラッガーの有名な言葉と関連づけてお話しようと思っています。
まず、縦軸があって、上が重要なことで下が重要ではないことです。
横軸の左側が緊急な状況で右側は緊急ではない状況です。
左上から第1エリア、右上が第2エリア、左下が第3エリア、右下が第4エリアとなります。
このうち、左上が「問題の解決」で、右上が「機会」です。
ドラッガーの言葉を借りると、「問題よりも機会に焦点を合わせなさい」ということです。
問題解決にばかり意識を集中していると、いつも目の前の物事に振り回されて「忙しい忙しい…」と言い続けることになるのです。
そもそも、問題を解決するということだけでいうと、「損失を防ぐ」という結果しか得られません。
しかし、「機会」というものに焦点を合わせると、将来、色々な成果を生むことができます。
「機会」から成果が生まれるのであって、「問題」からは損失が生まれるのだということです。
これを「緊急重要度マトリックス」に当てはめると、たとえば締め切りのある仕事や、クレーム対応などの“To Do”は基本的に左上の「問題」になります。
これは重要であって、やらなければいけないことです。
「納期や約束を守る」など、そういうことです。
ここで1つ問題があるのは、本人は仕事をしていると思いながら、実は時間を浪費していることです。
雑用、意味の無い会議・会合、意味の無いミーティング、意味の無い電話、やらなくていい書類作成などです。
実は、左下は左下で問題です。
ここを洗い出すのはある意味コンサルティングでもあるのですが、会社としては「やっておかなければいけない」と思い込んでいるけど、実は何の価値も生んでいないことがあります。
この左下の領域を無くすだけでも、かなり生産性が上がって、業績も上がります。
これを見つけます。
ただ、左上の「問題解決」のエリアも、社員を疲弊させている原因になります。
なぜ「問題」が出るかというと、その会社の元々の能力なのです。
能力が高くないので、その能力に応じた問題がたくさん出ます。
能力を高めないで問題ばかり解決していても、いつまでたっても問題を追いかける状態で、問題に対して主導権を握られている状態なのです。
では、問題を減らすためにはどうするのかというと、右上の「機会」しかありません。
「機会」というのは、要するに将来の能力アップの機会です。
会社としての潜在能力、いわば「エンジンの排気量を上げる」という活動をしないといけません。
しかし、それはすぐには上がりません。
緊急ではないから後回しなのです。
社員研修やマニュアルの整備もそうですし、会社の仕組み作り、人間関係をよくするなど、そういうところをきちんとやっておくと、だんだん問題が出なくなるので、左上が少なくなります。
そうすると時間が余ってくるので、「機会」のほうに投資して、会社の成長が加速します。
このマトリックスでいくと、右上の、将来の会社の成長を促す「機会」のエリアに、緊急ではないけれど、意識して投資をしないと、ここには誰も時間をかけません。
左上の「問題」ばかりやってしまうのです。
そして、右下の「逃避」は論外です。
ひまつぶし、ダラダラ電話、ネットサーフィン、待ち時間などは論外です。
ただ、左上の問題解決に汲汲として疲れ切っている人は、たとえばゲームをするなど、右下の「逃避」にいきます。
重要であろうとなかろうと、緊急の問題にいつも汲汲として疲弊しているときは、右下の逃避にいくのだと思います。
私はパチンコも逃避だと思っていますが、これが悪いとは言いませんし、ゼロにしろとは言いませんが、限度を超えて1日中パチンコ屋さんに入り浸っているような場合は「逃避」と言えます。
もちろん、私だって「逃避」はします。
ちょっとした気晴らしのレベルであればやっても良いのですが、限度を超えてやり過ぎてしまうのはいけません。
大事なのは、右上の「機会」が成長するような、元々問題が生じないような体質をつくれば、左側の問題は生じないので、「機会」に集中投資しましょう。
簿記の勉強などの資格取得は右上の「機会」です。
あなたのスキルが上がったり、ブランドがあがります。
先日、日商簿記検定1級に合格したナイトウさんにインタビューをしましたが、彼は大学3年生のときに、簿記検定1級取得という「機会」に時間を投資しました。
だから、彼はその後に上場企業の経理職にスムーズに就くことができたのです。
他にも、日経新聞が読めるようになったり、色々な物事が会計的に考えられるようになったり、自信がついたというお話もされていました。
これらは、すべて左上の問題処理能力のアップに繋がります。
ということは、あなたのレベルや状況に応じた資格取得というのは、将来の能力アップに繋がります。
私の場合も、この動画を毎日のように継続アップしていますが、これもすぐには結果が出るわけではありませんが、時間をかけて私の考え方に共感していただいて、私のサービスを使っていただけるとか、私と良い人間関係を築くことによって柴山会計グループも発展するわけです。
「柴山さん、動画見ましたよ」と言って、契約が成立する場合もあります。
動画配信を始めてからもうすぐ4年になりますが、これは大きいです。
あとはメルマガの継続配信もしています。
すぐに結果は出ませんが、コツコツやることによって、必ず将来の問題点が解決しているのです。
したがって、資格の取得というのはすごく良いと思っています。
そのなかでも、簿記・会計というのはすべての会社に関係しているので、すべてのビジネスマンや学生や主婦、株式投資をされる方にも使えるので、おすすめしています。
私がやっている動画配信のように、継続して何かをして人間関係を深めたり、情報発信をしてブランドをつけることもできます。
あるいは、人間関係作りも大事です。
これらも「機会」への投資です。
問題の解決は放っておいてもやるのだから、重要なのは、忙しいなかでも何とか時間をやりくりして、「機会」へ投資することです。
すぐには結果が出ないけれども、将来、問題を減らせるような、長い目で見てみなさんにとって得になるような「機会」に投資をしましょう。
このことを意識してほしいと思います。
短期的には結果が出ないけれども、将来、必ずあなたの色々な細かい問題を減らしてくれるような「機会」に対して投資をしましょう。
そのなかのひとつとして、簿記検定なども選択肢に入れてみてほしいと思います。
がんばって時間を作って、スケジューリングをして、将来の「機会」に投資をしましょう。
資格の勉強でも、読書でも、人間関係づくりでも、何でも良いので、あなたなりにできることをピックアップして、「機会」に時間の集中投資をしてください。
私はいつもあなたの成功を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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