柴山
ではまずは1番目の話をということで。
目指したきっかけについて思うところがありましたら。
内藤
そうですね。
まず、自分が卓球をしていてインターハイ出場という目標を掲げていましたが、挫折してしまいまして、そこから大学受験に切り替えて大きな目標を掲げたのですが、第1志望のところに入れなくて、それで大分自信を失いまして。
大学に入ってから、最初は少し遊んでいましたが、「このままでいいのかな?」と思うようになって、自信がないので、まずは自信を何とか付けたいということで、何か資格に挑戦したいと思い、簿記1級に挑戦しました。
柴山
ほかにもいろいろありましたよね。
行政書士や宅地建物取引士など、あとは社会学関係だと何か資格はありますか?
内藤
社会学関係だと、社会福祉士など。
柴山
ああ、そういうことか。
さまざまな資格があると思いますが、英語もあったと思いますけど、その中で簿記を選んだ理由というのは?
内藤
まず、英語は今まで勉強してきましたので、何か新しい勉強をしたいということで、英語以外で一番取っ掛かりやすい資格を考えて。
行政書士などはいきなり難関資格になってしまいますけど、簿記だったら3級から挑戦できるということで、簿記3級から挑戦していって、そして2級に合格したので、「じゃあ、これは簿記1級に挑戦するしかない」ということで簿記1級に挑戦しました。
柴山
簿記2級までは独学で行けたのですね。
内藤
はい、簿記2級までは。
柴山
そこで、漢字検定や数学検定に行きませんよね。
内藤
はい。
柴山
小学生ではないですからね。
まあ、行ってもいいですけどね。
漢字検定準1級、難しいですよね。
内藤
難しいですね。
挑戦しようと思ったことはあります。
柴山
一応、基本的に事務局の方は漢字とか読めますよ。
私は誤字脱字多いですけど。
そうですか、なるほど。
就職したいと思ったときに役に立つと思って、1級に挑戦。
実際1級を取ったら、これから就職では取ってよかったと思うことが多いと思います。
内藤
はい。
柴山
それで、次は2番目、学習スタイルについてですが。
大学生には大学生なりの事情があったと思いますが、ここで一番気を付けた勉強法は何かありますか?
先ほどもいろいろ伺いましたが。
内藤
それは全部通してですか?
柴山
通しても、まずポイントを挙げるとすれば、自分としては何に気を付けたとかどういうことを意識したかなど。
内藤
自分の普通の学習スタイルとしては、空いた時間をできる限り簿記に充てるということが第一です。
柴山
ということは、必ずしも時間は一定していなかったけど、すきま時間を。
内藤
すきま時間を、電車の中などでよく。
知識問題や理論などは電車の中でよくやっていました。
柴山
何かipodを使ったり、動くものを使ったりですか?
内藤
電車の中でやっていたのは、まずこういったテキストを使って読み込むという作業と、あと最近の携帯などにはアプリがありますから、理論問題のアプリなどもありますので、それをダウンロードしてやっていました。
柴山
今風ですね。
内藤
はい。
柴山
さまざまなアプリを使うのですね。
なるほど、わかりました。
過去問はどのように取り組みましたか?
内藤
過去問はまず1回目の受験のときに、最初は例題をこなした後、解説を見ながら一緒に解くという作業をしました。
それで1回転して、そのあと3回転、普通に自分で解くという作業をして、1回目の受験をしました。
柴山
なるほど。
1回目の受験のときは、40点でしたっけ?
内藤
はい。
柴山
なるほど。
過去問を3回やってみたときはどんな感じでしたか?
取ると点数は別として。
内藤
全然ダメでした。
70点行かないとか。
そのときにまたメールで相談しました。
柴山
ああ、そうですか。
そのときは過去問ではなかなか伸びないと。
そのときは?
内藤
そのときにはすでに前村さんの合格体験記があがっていて、4ヵ月で合格して、しかも3回、4回転目で90点取れている、というようなことがありましたので、「自分は頭悪いのか。才能ないのか」という感じで大分落ち込んで、メールしました。
柴山
どうでした、それ。
内藤
だけど、受かる人は、普通は苦手な論点なども含めて、やはり7回転している人も全然いるということで、自分が通常であるということを。
柴山
ああ、そこは大事ですね。
「自分は向いてないのではないか?頭悪いのではないか?」と思ってしまいますよね。
内藤
それは思います。
4ヵ月で受かって、3回で90点は取れるというのを見ると。
柴山
あれは特殊です。
内藤
「なんでだろう?頭悪いのかな?」そう思ってしまって。
柴山
そんなことはないですよ。
ああいう人もいるだけであって、8ヵ月ぐらいは全然普通です。
しっかりやっていると思います。
でもやはり、ああいう、いいのを見てしまうとね。
あれは早い子です。
でも、そういうのはメールで聞かないとわからないですね。
そういうことですよね、多分受講したのは。
それで、メールで相談して気持ちが楽になった?
内藤
はい。
柴山
ちなみに、そのときのレスポンスは何日ぐらいでした?
社長の立場で聞いておきたい。
内藤
さほど、3日以内で。
柴山
よかった。
事務局の方、どきどきしてる。
先ほども言いましたけど、一応、柴山会計の中ではメール相談に対するレスポンスはすごく大事にしています。
やはり、メールで相談してもらえるのかな、と思う人が多いですので、そこで1週間とか待たされたら嫌ですよね。
内藤
はい。
柴山
なので、3日以内ということで、ちゃんとね、よかったですね。
ということで、事務局の方、ほっとしたみたいですが。
メールは迅速に。
でも、これは仕事でもそうです。
先ほども言いましたが、コーチングでも、メールはできればその日のうちにということが大事です。
あと、模擬試験なども受けましたね。
それで、基本的な学習方法については、その通りで、科目別の話ですね。
1回目の受験のときで、工業簿記・原価計算で足切りを取ってしまったので、それについてかなり考えましたね。
内藤
はい。
その処理方法の違いとか、自分の中で1回1回よく考えて落とし込んでやるようにしました。
ただ解くのではなくて。
柴山
逆に言うと、去年の6月まではあまり解法の違いとか細かく検討しないで、ただ解いていたという感じですか?
内藤
度外視法があって、非度外視法があって、仕損がここで生じてとかというのも、それぞれなんとなく、さらっとやる感じでしたので。
柴山
するとやはり、後半は変わってきたわけですね。
内藤
はい。
ちゃんと何が違うのかを意識して、ミニ例題などを解くようにしました。
柴山
それによってその後、何か変化はありましたか?
内藤
あまり過去問でいうと、そんなにペースなどが変わったわけでもなく、模試を受けたときにもそんなに点数はよくなかったのですけど。
今回、25点という結果が取れましたので、やはり下地ができたのかなと思いました。
柴山
そうですね。
多分、潜在能力としては蓄積されたのだけど、表に出るのが試験直前だったのですね。
内藤
はい。
柴山
これが急にブレイクする。
自分では変わった気がしてないですよね?
内藤
まったく、ですね。
柴山
そういうものです。
前触れの変化というのは。
それも体験できてよかったですね。
やはり、蓄積はありますね。
意識の問題というね。
なるほど。
それで、もう一つ、「過去問の解説を読んでもわからない」これはスランプ、苦労したことですね。
苦労したことで「過去問の解説を読んでもわからない点が多くありましたが柴山先生が講義で何度も仰っていたように、「分からなくても、分かったつもりになって、何度もくりかえす」という言葉を」。
これはやはり。
内藤
大事ですね。
柴山
大事。
やはり、これは何度も実感しましたか?
内藤
はい。
やはり理解しようとしても、どうしても簿記1級の内容というのはいくら調べても理解できない内容が結構ありますので、それを解けるようにすることが第一なので、それを分かったつもりになって、何度も繰り返していくと、説明できないけれど、自分の中で何となく理解したな、という実感ができてきますので、繰り返すことが大事だと思いました。
柴山
なるほど。
簿記1級の論点の中で、分からなくても分かったつもりで先へ行く、ということで思い出すものがあれば、挙げてほしいのですけど。
どんなテーマでそんなことがありましたか?
たくさんあったと思いますけど。
もし1個挙げるなら。
内藤
スワップ取引とか。
柴山
ああ、代表例ですね。
先へ行ってしまうところのね。
高校生で受かった子は、税効果と言っていましたね。
内藤
税効果の。
柴山
税効果もわかりませんね。
スワップもですけど。
そうですね。
そのときはどうしました?
最初は独学だと相当悩むと思いますけど、柴山式をやっていますから、どれぐらいの時間、最初悩みましたか?
内藤
そこは全然できなかったのでとりあえず飛ばして、過去問をやっていくうちに何となく自分で解けてきましたので、解けてくるとやはり分かってきたという実感がわきますので、それは気にしないでいられるようになるので。
柴山
その精神的なステップアップは大事ですね。
多分以前はそういうことなかったと思います。
内藤
とにかく気にして、一つ進んだらわからないのが出てきて気にしてしまう、という感じでしたので。
柴山
だから、合格者のメンタルは気にしないで進むことだとよくわかったでしょ?
内藤
はい。
すごく大事ですね。
柴山
大事です。
それも大きな気づきです、簿記に限らず。
なるほど。
それでは次、まる5。
スランプ対処法ということで、「スランプに陥ったときこそメールで相談することで、的確なアドバイスを得ることができ、スランプを克服できると思います」。
逆に言うとこういった、いざというときに以外はあまりメールでちょこちょこ相談しないということですか?
内藤
そうですね。
自分の場合は、自分でマズイと思ったときは、まず自分でどう対処するかということを考えて、やって、それでもダメで、本当にダメなときにだけメールしていました。
柴山
グッジョブ!
それもまさに「前を向いて歩こう」などで言いたいことなのですが、メールの使い方はその通りでいいと思います。
それで何通ぐらいメールを出しました?
内藤
精神的な相談は多分2回か3回だけで、あとは問題の内容についてのメールだったので。
柴山
これは結構大事なところなのですが、どれぐらいの頻度で出しました?
月に1回とか週に1回とかあるいは1日5回とか。
内藤
1ヵ月で1回とか、2ヵ月に1回とか3ヵ月に1回とか。
柴山
ですよね。
まさに受かる人はそうなのです。
これは大事ですよ。
毎日メールくれてもいいのですが、メールする時間があるなら問題解きましょうね、なんて少しさりげなく。
これは実はすごく大事なので、ちょうどいい機会なので、合格して思ったことは、例えば毎日メールしている暇はないですよね?
内藤
はい。
ないですね。
前、前村さんの動画を見たとき、進捗をやってもらっていたような感じで、メールで。
柴山
あれは週に1回、あれはルーチンで決まっていましたので、いいのですけど。
内藤
自分もそうしなくてはならないと思っていたりはしていたのですけど。
柴山
あれは個人差があるけど、計画的に人に見てもらったほうがいいというのは週に1回はおすすめです。
内藤
毎日はちょっと。
柴山
毎日はきついです。
でも、たまにうまくいかなかったケースで1日朝2回、昼2回、夜2回、1日6回とか。
メール書いている時間のほうが問題解いている時間より長いのではないかというケースも、滅多にないのですが、そういうケースはあまり受からないですね。
ですが、これは本当に事実として、私の経験上、メールを送る暇があったら問題を解いているほうがいいです。
なのでぜひ、今これをご覧になられている方は、専門学校で通学している方もそうですが、講師への質問というのは選んで、ここだ、というときにしたほうが講師も親身に答えてくれます。
分からなかったからすぐに質問をするというのは、実は教室でもそうなのですが、案外薄まってしまいます。
「また来たか」という感じで。
そしてよく見ると、ちょっとテキストを見ればわかることを聞いてくる人もいるわけです。
そういうことはしてなかったですよね?
内藤
はい。
柴山
まずは自分で考える。
メールで質問をした後、個別のテーマの悩みでどんなことがありました?
内藤
ミニ例題で、あまり覚えていませんが、答えが合っているのかという。
それが、自分が思った答えと違うなというときに、確認したりとか。
柴山
「自分はこう思うんですけど」ということ。これはポイントです。
なんだかよくわからないと思うかもしれませんけど。これもポイントです。
質問をするときは、「自分はこのように考えているけど、これとのギャップは何だろうな?」という前向きな、受かる質問。
やはり、合格者ですね。
内藤
はあ。
柴山
これは本当に大事。
私はメールの仕方で、合格か不合格か、分かります。
受かりやすい人というのは、自分はここまで考えてこうだったんだけど、テキストやその答えとの違いは何か、を明確にしています。
相談される側も、このポイントを教えてほしいということを書くと答えやすいです。
これが実は、「減損、分からないので1からわかりやすく教えてください」とか言われたら困りますよね。
内藤
はい。
柴山
そういうことがたまにあります。
それなら、最初から考えたほうがいいではないですか。
というように質問の仕方にも受かる質問の仕方というものがありますから、もしよかったら考えてみてください。
ご自身でも、例えば、どのような勉強をしているかはわかりませんけど、専門学校で先生に聞くときも、ただわからないから先生に聞くというのも、どちらかというと主体的ではなくなってしまいますので、これは勿体無いです。
ちょっと考えて、自分はこう考えるけど現実とはこう違う、このズレは何か、という確認をするために聞くというのは大変いいと思います。
グッジョブです、これは。
内藤
ありがとうございます。
柴山
今後もそういうやり方を職場でも上司に聞くときに、「わからないので、全部教えてください」というのではなくて、「ここまで考えたのだけど、それと今の現実の違いは何ですか?」と聞いてみるといいと思います。
内藤
わかりました。
柴山
できるビジネスマンですよ。
内藤
まだ、意識してない。
柴山
意識してみてください。
今までもしていたのですか?
内藤
はい、していました。
柴山
卓球の部活などでもそういうのはあったかもしれませんね。
内藤
そうですね。
柴山
いいですね。
ぜひ、就職活動にも、就職してないですものね。
内藤
はい、これから。
柴山
就職活動も含めて、その前向きな質問というのはポイントですね。
いいと思います。
では一旦ここまでいったので、一区切りをします。
このあと続きをやっていきたいと思います。
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