がんばろう日商簿記1級合格。
毎月、数十名の方から申し込みをいただいて、たくさんの方が勉強されています。
簿記1級の勉強の楽しさを実感しながら、日々頑張っていらっしゃいます。
受講生の方から毎日のようにご質問や学習上のお悩みの相談についてのメールが寄せられています。
柴山会計にはメール相談専門のスタッフがいて、平日の日中ならば当日中に回答を差し上げています。
場合によっては少し遅れることもありますが、多くの場合は翌営業日ぐらいには回答を差し上げています。
最初にお話したご質問メールの内容は、簿記1級の工業簿記・原価計算の部門別計算に関するお悩みでした。
部門別計算というのは、簿記2級レベルの易しいものから、簿記1級の高度な論点まであります。
高度な内容は何かというと、部門別計算は3つの段階があるのですが、まずは予定配賦(正常配賦)か実際配賦かということです。
予定配賦を使うと配賦差異が出ますが、その差異が製造部門のみならず補助部門にもでてくるのです。
これを全部出すととても大変なのです。
そして次にくるのが、補助部門が複数ある場合に、相互配賦法、それから階梯式配賦法(直接配賦法)があります。
直接配賦法は簿記2級レベルです。
相互配賦法のうち、簡便法も簿記2級レベルです。
相互配賦法のうち、連立方程式法は簿記1級レベルで、これは難しいです。
そして、階梯式配賦法といって、配賦表が階段の形をとるものがありますが、これも簿記1級のレベルです。
このように、複数の補助部門費があるときに、連立方程式法、または階梯式配布法を使った場合はぐんと難しくなります。
さらに難しくなるのは、いわゆる複数基準配賦法というものを使います。
これは、変動費と固定費を別の配賦基準で使い分けます。
変動費は、消費数量基準といって、実績で配賦します。
固定費は、消費能力基準を使います。
予定配賦、そして連立方程式法または階梯式配布法、そして複数基準を使った場合に一番難しくなります。
今回のご質問は、予定配賦で、かつ、連立方程式法という2つの条件が組み合わさったケースの、資料の抽出の仕方で何回やっても同じミスを繰り返してしまうというお話でした。
そのときには2つのお悩みがあったと思うのですが、1つは「私以外の受験生でも、同じ問題の中の同じ箇所を何度も間違えるっていうケースはあるのでしょうか?」という心配と、2つ目は「こういったミスを無くすにはどういった勉強をすればいいですか?」という、勉強法についての悩みがありました。
まず、1つ目についてですが、結論をいえば、他の受験生でも同じ箇所で何度も間違えるケースはたくさんあります。
私自身、同じ問題をよく間違えていました。
ということで、5回やってわからなければ6回やって、7回やってわからなければ8回やって、10回やってわからなければ11回やればいいのです。
何回やっても同じ間違いをすることは誰でもあるので、ご安心ください。
肝心なのは、その課題をどのようにしてクリアするかです。
やり方は2つあって、プロセスを徹底的に反復して身体で覚えるというやり方もありますが、もう1つの、合理的な方法をご提案します。
問題というのは、必ず意図があって、目指すゴールがあります。
「ゴール」というのは、模範解答です。
この問題文は、どういう模範解答を期待して指示しているのかを考えます。
プロセスから追いかけていった場合だと、プロセスが1個ずれたらゴールが変わってしまいます。
だったら、ゴールから引き算をしてみましょう。
わからない問題や何度も間違える問題は、ゴールから逆算して考えてみましょう。
まず、模範解答を見て、模範解答に行くための一歩手前の処理を確認して、さらに、その一歩前の処理を確認していく…というように、ゴールから一つずつ遡っていくと、自分がわからない部分がどこなのかに気づくことがあります。
だから、問題文を見たら、まずはゴールを想定します。
今回のメールのご質問にあった問題のゴールは何かというと、2つある製造部門における配賦差異を求めるということなので、結局は、実績ベースで全て数字をうつして、実際の配賦額を出せばわかる問題です。
ということは、ゴールは、2つの製造部門それぞれの実際配賦額を出すとなります。
配賦表の資料を見た場合、予算の配賦表と実績の配賦表がありますが、実績の配賦表からだけうつせば良いのだなというふうに、逆算してわかってきますので、何度も間違える問題文はゴールから逆算してみます。
このやり方を採ることによって、「ハッ」と気づいて、次に同じミスをしなくなることもあります。
何度も間違える問題はゴールから逆算して考えるという方法を、ぜひ一度試してみてください。もしかしたら、次の復習の時にはできるようになっているかもしれません。
私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
頑張ってください。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
PREV
適時に適切なやり方で簿記の勉強しよう!
|
NEXT
簿記の過去問の音読をはじめましょう!
|