簿記1級は本格的に募集するようになったのは2・3年ぐらい前からです。
私自身は専門学校での講師経験が20年程度あって、スタートは会計士に合格する前の1991年からやっています。
途中、監査法人にいた期間を差し引いても20年前後やっていると思いますが、その状況で専門学校の教材の研究開発のエッセンスを集約して、柴山式簿記1級講座の通信講座をはじました。
一般の専門学校だとどうしても100点を取るような、充実したカリキュラムをやります。
それはそれで素晴らしいのですが、忙しい社会人の方も多いので、柴山式ではインプットをほぼ半分以下に集約して、基礎の80パーセントをしっかり固めるようにしています。
そして、8割からいくつかのイージーミスをしても70点台後半で受かるようなカリキュラムになっています。
実際には85点ぐらいまでの点数を取れるところまではいきますけれど、8割ぐらいの知識はしっかりとマスターしていただきます。
若干のイージーミスはしても最高80点ぐらいは取れるけれども、75点前後で受かることを想定した基礎重視の講座で短期合格を果たしてもらっています。
先日も4か月で1発合格をした方もいらっしゃいますけど、そういった講座から含めて簿記1級合格レベルの知識を考えていただきますと、簿記1級合格レベルの知識というのはだいたい税理士簿記論の8割から9割をカバーします。
日商簿記検定1級を85点以上で受かる方というのは、税理士簿記論の基礎知識は9割ぐらい終わっていると思ってもらっていいのですが、70点台で受かっても最低8割ぐらいはカバーしています。
そして簿記1級を満点近くの点数で受かる方は会計士レベルの近いので、このレベルで受かる方は、私の経験では1年後に1発で合格した方がいらっしゃいます。
ちなみに、日商簿記検定1級を70点台半ばで受かった方が、ほぼ同時に会計士に受かったというケースもあります。
70点台での簿記1級合格でも勉強のやり方によって会計士はすぐに受かるのです。
税理士簿記論もそれほど変わりません。
私の感覚ですと、簿記1級を85点から90点で受かる方は、たしかに9割ぐらいはカバーしていますが、70点で受かっても最低8割はカバーしているので、8割以上は簿記論に必要な知識は終わっているのです。
残りは1割2割ですし、しかもそれをすべて埋めなくても過去問をしっかりやっておけば、税理士簿記論が簿記1級よりも受かる可能性が高いのは、5割取れれば受かるケースもあることです。
解答欄の数に対して45パーセントぐらいしか埋まらなくても受かっている年もあります。
合格率が10パーセント前後にしなければいけない部分もありますので、受験生の分布によって変動します。
受験生全体が30パーセントぐらいの解答数であっても、合格させる必要があるので、傾斜配点になるわけです。
ということを考えた場合、税理士簿記論で、例えば解答欄が100あったとしたら、解答欄を全部埋めなければ受からないわけではありません。
実際には半分いかなくても受かっているときはあります。
柴山式の受講生でも日商簿記検定1級に受かった後に、仕事をしながら8か月くらいで簿記論に受かっているケースもあります。
そのときの状況を見ていると、ほとんど簿記1級の知識をベースにしていて、あとは過去問をやっていただけなのです。
簿記1級の知識をベースにして、過去問を徹底的にやって、簿記論特有の論点など、足りないところは柴山式の簿記論講座のレジュメなどで若干補足しながら、5回分ぐらいの過去問を繰り返してほぼ完璧にマスターして合格しています。
柴山式の簿記講座の感覚では、簿記1級が合格レベルに達していれば簿記論も合格レベルにいけると考えています。
人によっては、6月に簿記1級を受けてから簿記論の勉強をして、ほぼ2か月弱で受かるというケースもあるらしいです。
ただ、忙しい社会人の方は6月7月に勉強ばかりやっているわけにもいかないと思います。簿記1級と同時に受けても構わないですが、11月に簿記1級に合格した方は来年の8月に簿記論に向けてじっくり勉強して合格すれば良いです。
簿記1級が合格レベルまでいっているのならほぼ8割は終わっていますから、あとは少し埋め合わせをすればいいだけです。
絶対とは言いませんが、簿記論は半分くらい落としても受かる試験なので、4割ぐらいは落としても大丈夫なのです。
とても難しい論点だったり量が多かったりするので、その部分を上手く捨てる勉強法さえやれば簿記1級の商業簿記・会計学の知識をベースにして、あとは過去問の繰り返しと若干の補足をすれば、半年強で概ね簿記論の合格レベルにいきます。
大事なことは、過去問をしっかり見ながら総合問題を徹底練習することです。
ここさえ間違えなければ、大丈夫です。
簿記1級と簿記論の出題範囲は8割から9割被っていますので、簿記1級合格者や簿記1級合格レベルに近い方は税理士簿記論もぜひ視野に入れてみてください。
日商簿記1級合格というキャリアも履歴書では効果がありますが、どうせならば税理士簿記論も受けてみましょう。
簿記論に合格したという実績は、簿記1級合格とほぼ近いぐらいすごいと私は思っています。
しかも、簿記論は工業簿記・原価計算がないからある意味で楽なのです。
工業簿記・原価計算が苦手な人にとっては、日商簿記検定1級よりも取り組みやすいのです。
あなたのキャリアプランなどを考えながら、簿記1級を本格的に勉強されている方で合格レベルにある方は、税理士簿記論も頑張ってみてください。
ご参考になれば幸いです。
頑張ってください。
柴山会計はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
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