1、2週間ぶりに、この本を、談慶師匠が書かれた本です。
これは1冊目の本かと思います。
元々は、私は前にユーチューブでもおすすめしましたが、この『いつも同じお題なのになぜ落語家の話は面白いのか』、この本から始まって、これが3冊目だと思うのですが、これを読んで面白いなと思いまして、遡って、次に1冊目に書かれた『大事なことはすべて立川談志に教わった』、これは談志師匠ですね。
2冊目、これ『落語力』、一応、一通り読ませていただきました。
ある意味、最初の頃に書かれた本なので、この本(※『大事なことはすべて立川談志に教わった』)が一番、パッションと言いますか、熱いです。
2冊目、3冊目になると技巧と言いますか、ある程度のノウハウが身についてきますので、それなりに落ち着いてくるのですが。
1冊目は遮二無二書かれているイメージで、私は、それはそれで熱いものがあって、この本が好きなのですが、この本ペラペラと見てみると、一応、談慶師匠からサインをいただいています。
ありがとうございます。
少し読んでみて、これはリーダーシップに使えるなと思いまして、ちょっとネタバレで申し訳ないのですが、これはいい本なので、いい本と私が言うのもおこがましいですが、おそらく、私が書いた本よりも売れる素養のある本だと思いますが、非常に面白い、身につまされると言いますか、身近なところがありまして。
今回はリーダーシップのあり方ということで、108ページ、敢えてピンポイントにページ数を言いますが、108ページのこの談志師匠の言葉をご紹介したいと思うのですが。
リーダーって複数の部下を抱えていますから、やっぱり、人によっては合う合わないがあると思います。
ですが、リーダーというのは感情とか選り好みだけで、部下の評価や処遇を決めてはいけない部分もあります。
勿論、多少の好みはありますが、それもやはり超えてはいけない一線があるのです。
えこひいきも程々にしないといけません。
多少なら構わないのですが、やはり客観的な評価というのは絶対必要です。
そうしないと評価されないほうがやる気をなくしてしまいます。
難しいのは、今回は108ページのケースでもあるのですが、後輩が先輩を抜いちゃうことがあります。
私も昔、公認会計士の受験生時代に3年目で受かっていますが、2年目のときは理論に関しては、私は周りの受験生の友達にかなり教えていたのです。
柴山先生って呼ばれていて、少し調子に乗っていました。
経済学とかいろいろ教えていたら、教えていた生徒と言いますか、同じ受講生のはずなのに、教えた相手が先に受かって、2年目です。
私は落ちて、ショックで涙がちょちょぎれる状況だったのですが。
なんで私が落ちるんだろうって。
その時にハタと気づいたことがあったのです。
それはまた別の機会にやりますが。
要するに私よりも成績の悪い人が受かって、私が受からない、2年目。
なんかおかしいと思ったのです。
そこでまたショックを受けました。
その時は慰める上司がいなかったのですが。
それに近い状況なので、気持ちはわかります。
自分よりも後輩だと思っていた人に先を越されてしまったというのはすごくショックなのです。
その状況がありまして、談慶師匠が2つ目の時に、なるときに、同年代の弟弟子の方に2つ目の昇進基準を先にクリアされてしまって。
勿論、2つ目の昇進を決めるのは当時、立川談志師匠なので。
で、ショックを受けたと。
そういった状況で、ただ、立川流は2つ目とか真打ちの昇進基準はかなり客観的で厳しいということみたいで。
読んでいて思ったのですが。
客観的なのです。
落語50席とか、あと、歌舞音曲、こういったものを談志師匠がこれはOKと認めるまでちゃんとマスターしなさいという、客観的な基準があったと。
その状況で歌や踊りといった部分で、この当時、談慶師匠は副業と言いますか、ほかの仕事に精を出して、あまり稽古に関しては充分に出来なかった、というふうに述懐されています。
それを弟弟子がちゃんとその時にやることやったと素直に。
なので、談慶師匠よりも先に2つめになった、ということです。
客観性がある、そしてショックを受けた。
その時に、弟弟子さんの2つ目のお披露目の会に、敢えて、談慶師匠、自らの戒めということで、前座として手伝いに行くということをやったのですが、その時の打ち上げでトイレに行くために席を立った時に。
ここ少し細かいことですが、非常にいい話なので。
その時、おそらく談志師匠は敢えて、談慶師匠のところにフォローのために行ったのではないかと思うのですが。
その時に言った2つの言葉がすごいです。
一つは、あいつは、あいつというのは弟弟子さんのことですね、談慶師匠を2つ目昇進で抜いてしまったのですが。
『あいつは俺の基準を満たしただけだ。』
敢えて確認しています。
2人きり、1対1、ワンオンワンで話したと思います。
1対1でちゃんと相手に伝わるように、みんなの前というよりは1対1でちゃんと話したのです。
個別対応しています。
これコーチングだと個別対応と言います。
『あいつは俺の基準を満たしただけだ。』と。
評価が客観的であって、感情的ではないことを確認しています。
尚且つ、もう一つ、これ私、すごいなと思ったのですが。
つまり、あなたのことをちゃんと見ていますよ。
だけど、今回は俺の基準を満たしたのは彼だから彼が先に行ったけど、客観的な理由なのだと。
主観的、感情的にはあなたを認めていますよ、ということを私、暗に言っていると思いましたので。
部下への信頼を示しています、言葉で。
これ、1対1で示すところがポイントです。
俺はおまえを信用している、信頼していると。
出来るはずだということの裏返しなので、これを見て、やっぱりやる気になります。
この部下のモチベーション、お弟子さんのモチベーションを上げるという意味では、やはり談志師匠は天下一品だったのでしょう。
チラッと言う、このタイミングがすごい。
この2つ。
評価は客観的であることを敢えて、相手にちゃんと示します。
そして、あなたを拒否していません、ちゃんと見ています。
ただ、今回は基準を満たしていないから、そこは理解してね、ということを部下への信頼、その反対、不信です。
部下を信頼していない上司、社長いっぱいいますよ。
部下を信頼していないということは部下だってわかりますから、それはやる気になれません。
なので、談志師匠、このとき、すごいなと思ったのは、『俺の基準を満たしただけだ』という客観的なことを告げて尚且つ、『俺はお前を拒否していない』、ちゃんと基準を満たせば、あなたも2つ目になれます、ということをちゃんと明示してあげています。
ここで、多分また、談慶師匠は当時、私は想像するにモチベーションが上がったのではないかと。
私はこの2つは、リーダーの心構えとしてすごく大事なことだと思っています。
コーチング的な理論にもしっかりかなっています。
素晴らしいなと思います、すごく。
ということでご紹介しました。
これは『大事なことはすべて師匠に教わった』という立川談慶師匠の最初の本に出ている、非常に心温まる、リーダーの心構えについて考えさせられる非常にいい話しだと思いますので、ご紹介しました。
私はいつもあなたの成功を心から応援しております。
ここまで、ご覧頂きまして誠にありがとうございました。
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