今回はお悩み相談ということで、YouTube動画の視聴者の方からのお便りをご紹介します。
「忙しいところご迷惑をおかけします。柴山先生の動画をいつも楽しく拝見させてもらっています。毎日の動画アップに敬服しています。
いろいろなビジネスを楽しんでいらっしゃる柴山先生に憧れています。私自身もビジネスをやりたいと思っているのですが…コンセンサスの認識度合いについてかなり頭を抱えています。
自分のやりたいようにやるのがいいのか、コンセンサスにある程度妥協することも大事なのか、私はスーパービジネスマンになりたいのではなく、仕事を楽しめるビジネスマンになりたいのです。
起業すると自分の意志とコンセンサスが葛藤することも多いのでしょうか?やはりバランスなのでしょうか?頭でっかちな質問で申し訳ありません」と書いてあります。
おそらく真剣に悩まれているのだろうと思います。
この方は仮にHさんとします。
私の想像ですが、もしかしたらご自身は今お勤めをされていて、新しい起業をしてみたい、場合によっては脱サラしてお店をやりたいとか会社を始めたいというような、独立起業したいケースかもしれません。
それに対して、周りの家族や親戚などが反対しているのかもしれません。
今回のお話では分かりませんが、一般的にあり得るのはこのようなケースです。
自分のやりたいことがあるけれど、周りの理解を得られないとなかなか難しいということで、妥協したほうがいいのかで悩まれているということでしょう。
前回もご紹介しましたが、岸良裕司が書かれた「全体最適の問題解決入門」という本があります。
これは、「ザ・ゴール」という本で以前にもご紹介しましたが、制約理論というものがあります。
会計的にはスループット会計というのが有名なのですが、「ザ・ゴール」で紹介されている制約理論(TOC (theory of constraints))の考え方の対立構造を使ってご説明しようと思います。
よければHさんも同じような考え方で検討してみてください。
まず、具体的な対立は何かというと、おそらくビジネスをやりたいということに対して合意が得られていないのでしょう。
おそらく、周りの合意を得るということと、「ビジネスをやりたい」という自分の意志が対立しているのです。
一般論としては周りが合意をしてくれないでしょう。
そして、一方で自分は意志を貫きたいと思っていて、それが対立しているのです。
この対立が前提なのですが、対立しているのはなぜなのかという理由を探ります。
この対立構造の先にある「相手の要望」と「自分の要望」は案外対立しないのです。
対立しているのは末端の具体策なのです。
「独立起業なんて危ないからやめなよ」という感じで、なかなか賛成してもらえない状態と「独立してビジネスをやりたい」という気持ちの対立です。
それらの具体策には必ず要望がありますが、それぞれの要望は何かというと、相手の要望としては「安定していてほしい」ということなのです。
失敗したときのことを考えると怖いわけです。
もちろんそれは当然あります。
これは「変化したい」という意見と「変化したくない」という意見の対立に近いのです。
一般論としては安定していてほしいのです。
しかし、自分としては「仕事を楽しみたい」という要望があるのです。
つまり、抽象面では必ずしも対立していないのです。
「安定してほしい」という思いと「仕事を楽しむ」というのは必ずしも対立しません。
「周りの合意を得られない」ということと「自分のやりたいことを貫きたい」というのはたしかに対立しますが、その要望・主旨をみると、その部分では対立していないことが多いのです。
では、要望の果てにある最後の大きな共通目標とは何かというと「幸せでいたい」ということです。
相手は、幸せでいたいから安定してほしいので、自分は幸せでいたいために仕事を楽しみたいのです。
ここまでは必ずしも真っ向から対立していないのです。
「安定」ということと「仕事を楽しむ」ということは必ずしも正反対ではありませんので、ここに気づくかどうかがポイントなのです。
普通であれば個々の目先の対立構造にばかり目が行きますが、優れたリーダーというのはこの背後にある要望を汲み取るのです。
要望の部分でお互いにすり寄ることができるのならば、末端の意見というのはどうでもよくなるのです。
これが第3の解決策ということなのです。
つまり、独立する・しないで衝突すると、勝ちか負けになってしまいますが、そうではありません。
そもそもなぜそのようなことを言ったのかという、1つ上流に遡ります。
上流下流で言うならば、対立というのは最下流なのです。
下のほうで話をしてもなかなか上手くいかないのです。
時と場合によっては下流でうまく話を擦り合わせて解決する場合もあるのですが、下流の具体的な案で対立してもしようがないのです。
その場合どうするかというと、1つ上流に上がるのです。
上に上がれば上がるほど、だんだん共通してくるのです。
結局、周りも自分も幸せでいたいわけです。
誰もが反対しないような上流の共通目標と下流の対立の具体策の間に要望を入れます。
この要望の部分でお互いがしっくりくると、結構解決するのです。
私はこれを結構使います。
優れたリーダーというのは何となく経験でやっているのです。
目先を変えるのです。
そもそも要望は何かというと、相手は「安定してほしい」という要望で、自分は「仕事を楽しみたい」という要望があります。
ここさえ上手くすれば、下の案はどうでもいいのです。
それを踏まえて、解決策の事例を1つご提案します。
「本来の仕事を維持して欲しい」というのは周りの合意だと思います。
本業を維持するということは安定するのです。
相手の要望である安定の部分を尊重しながら自分も仕事を楽しむのであれば、まずは半年などの期限を決めて、スキマ時間をみつけて副業をしてみましょう。
ここで楽しめると思います。
結構週末や夜に副業をやっている方はいらっしゃいます。
趣味として副業をしてみたらどうでしょうか。
そうすると、「プチ独立」になるので、自分の仕事も一部楽しみながら、相手の「安定してほしい」という要望も満たすことができますので、対立することはありません。
そして2つ目は、副業まではしなくとも、起業したいと思っている分野について半年ぐらい調べてみる(事業計画を作ってみる)という方法もあります。
起業したい分野に思いを馳せるだけでも、頭の中で楽しめます。
事業計画を作ってみるのも楽しいと思います。
起業する可能性があるわけだから、仕事を楽しみたいという要望もかなえることができますし、本業を辞めるわけではないので、相手の「安定してほしい」という要望もかなえることができます。
仕事を楽しむ1つのきっかけとして、副業としてやってもいいですし、副業が本業を超えるような雰囲気になってから辞めればいいのです。
そうすると相手のコンセンサスを得られます。
あるいは起業したいと思っている分野について調べてみます。
こういうやり方で第3の解決策を考えてみてはどうでしょうか。
ぜひ参考になさってみてください。
対立構造を解消するには、対立の具体策の上流にあるお互いの要望を尊重するという精神が役に立ちます。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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