お悩み相談ということで、今回も視聴者の方からのご相談について回答いたします。
今回はMさんという方から「女性の経理担当とは、一体なんでしょうか?」というご相談です。
さっそくいただいたメールの内容をご紹介します。
「いつもお世話になっております。2級講座でお世話になっておりますMと申します。
大学を卒業して某大手メーカーの経理に総合職として勤めましたが、結婚・出産、そして主人の職場転勤などがあり、4年ほど勤めたあと退職しました。
その後、3人の子どもの出産・子育てを経て、地元の中小企業の経理に採用され、当時子どもは6歳、3歳、2歳でしたが、復職できたことに感謝しつつ業務を続けてきました。
しかし、両親も主人も私自身も近くにいないなかでの共働きは想像以上に厳しいものでした。しかし、業務には責任を持って取り組んできたつもりですが、大した仕事も与えられず、どちらかというと雑用の経理事務ばかりです。
子どもは12歳、9歳、8歳になりました。たしかに子育てと仕事を両立するにはこの程度の仕事のほうがちょうど良いのかもしれませんが、自分のなかに常に同じ作業の繰り返しで飽き飽きしているのと、もっと別の範囲の経理業務にも挑戦したいという気持ちもあります。
将来的には2級・1級・全商を頑張りたいです。そこで、現在勤めている会社は中小企業の親族経営なので、別範囲の業務のローテーションがあるとは考えにくいです。
大事なところは見せてもらえないので、財務状況が経理などに分からない状態です。ちなみに経理は私1人で、その他は顧問税理士が処理しています。
資格を取ったら他の会社に転職したいのですが、40歳の自分が採用の対象になるのかが不安です。仮に税理士などの資格を順調に取っても45・6歳になっています。
そのときに採用してもらえるのか不安です。だったら今のままのほうがいいのかと思ったりもします。
また、女性の経理担当者・税理士さんについてどのような印象をお持ちでしょうか?やっぱり仕事をやりにくい相手だと思われますか?
なぜかというと、私の上司や取引先や銀行などに私をまったく紹介してくれず、ただひたすら事務所に座って事務処理をするだけです。
経理ということで他部署とも部屋が分けられているので、常に1人です。外出もありません。私の能力がないのかもしれませんが、やはり女性だからでしょうか?女性相手であると仕事はやりにくいでしょうか?
最初は上手くいかないこともあるかもしれませんが、少しずつでもやらないと経験にもならないし進歩もしないままなので、イライラしてしまいます。
半分愚痴のようになってしまいましたが、柴山先生のご意見を聞かせていただけると幸いです。よろしくお願いします」という、真剣なお悩み相談をいただきました。
ご質問のすべてにお答えしたいところですが、重要だと思われるものをいくつかお答えしたいと思います。
おそらく一番のお悩みは、いま自分がやっている仕事がルーチンで発展性がないということなのでしょう。
ワクワク感ややる気が湧いてこないような、繰り返しの仕事なのでしょう。
それから、銀行など外の人たちに紹介してもらえないので、「自分が本当に頼りにされているのか」という存在感について自信が持てないという点があると思います。
では「女性の経理担当は不利なのか?」という点については、結論を申しますと女性か男性かはあまり関係ありません。
やはり、上司が仕事をどの程度やるのかと、そもそもその会社がどこまで要求しているかです。
会社のニーズと本人の能力のかけ算だと思うのです。
女性であろうと男性であろうと立場は同じで、(経理に向いていないという意味で)男性でも仕事ができない人はいるのです。
人格がどうこうではなくて、うっかりミスなどが多くて、経理業務が向いていない方がいらっしゃいます。
私も長年いろいろな人と仕事していますが、「この人は向いてないな」と思う人は、たとえ男でも職場にはいられなくなります。
ちなみに、女性のほうが経理業務は向いています。
大事なことは「丁寧に仕事をしていれば信頼される」ということです。
仕事が丁寧で、言ったこと以上のことをやればいいのです。
一番いいのは、言われたことの2割増しから5割増しでできる人は、女性だろうと男性だろうと重宝されます。
やはり仕事の丁寧さなのです。
一般的に簿記2級までだと事務処理が仕事と思われやすいので、よほどプラスアルファで何かを持っていないと重要な場所へ出ることができないという場合もあります。
事務処理の担当と思われている可能性が高いので、そういうことであれば私は簿記1級を取ることをおすすめします。
簿記1級になると管理的な側面があるので、管理職の候補として期待されやすいです。
簿記1級はマネジメントができるかもしれないと思われやすいので、おすすめなのは簿記1級または税理士簿記論を持っておくと良いです。
税理士簿記論と簿記1級はほぼ同じぐらいの勉強時間だと思ってください。
そうすると、ただの事務担当ではなくて管理的な側面も期待されるようになるかもしれません。
残念ながら日商簿記2級・3級は事務職としてのスキルのみに有利性があります。
男性だろうが、女性だろうが、事務職という範囲のなかで「仕事ができる事務職」「仕事ができない事務職」という分け方しかしませんから、ステージは稀歩的に変わりません。
たとえば簿記2級にプラスして営業力があるとか、他にも能力があれば別ですが、簿記2級や簿記3級というのは事務処理に特化した資格ですので、基本的には誰でも変わりません。
他にも能力があると思われれば別の仕事も任せてくれるかもしれません。
結局は能力の問題です。
もう1つは税理士ですが、実は税理士は男性に比べて女性は有利です。
女性はとても少なく、ニーズが高いのです。
平成26年の実態調査の結果、女性の割合は12.8%で、6人に1人くらいしか女性がいませんので、女性が足りません。
颯爽な身なりをして安心感を持たれるようにしていれば、40台半ばであろうがすごく仕事ができるように見えるので、40台半ばの税理士でも全然問題ありません。
ちなみに、開業している女性税理士は1割で、事務所に勤務している補助税理士は28.6%です。
私のなかでは、女性のほうが仕事を丁寧にやってくれるイメージがあります。
逆セクハラになってしまうかもしれませんが、男性のほうが大雑把なイメージがあって、軽くミスしてしまうイメージがありますが、女性のほうが丁寧だという印象があるので、そういう意味では女性のほうが有利だと思います。
それと、正直に言ってしまうと、男性の税理士はそこまでファッショナブルとは思えないので、きちんと身だしなみに気をつければ女性税理士のほうが相手の印象は良いと思います。
税理士法人などの役員なども女性は13.9%と非常に少ないので、有利です。
女性税理士は断然有利だと思っています。
税理士というと堅いイメージがあるのでみなさん構えてしまうのですが、女性の方のほうが、物腰が柔らかく話しやすいイメージがあります。
女性税理士はむしろ有利だと思っています。
自信を持って、簿記1級か税理士を目指して頑張りましょう。
あなたの将来のキャリアは開けます。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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