それでは追加講義です。
これまで「インプットを絞ることがポイント」というお話しましたが、なぜこのようなことができるかということについて説明をします。
なぜ大手専門学校は学習量が多いのかというと、これは大手の悩みでもあって、大手の専門学校というのは内容も充実していますし、リサーチもきちんとしているので、完璧にカバーをしなければいけません。
大手専門学校は評判も気にするので、私のような「冒険」ができません。
もし、滅多に出ないような論点が試験に出たとき、その論点をたとえばTという専門学校は模試にも直前答練にも出していなくて、Oという専門学校では出ていた場合、世間の評判はどうなるでしょうか?
きっとTの評判はガタ落ちになって「次はOの講義を受けようかな」となってTからOの学校へ生徒が流れてしまう可能性があります。
これは税理士や会計士の試験でも同じで、ある回で出た論点が専門学校同士で比較されてしまうのです。
「Lでは出てた。Oでも出てた。でもTでは出ていない」などとなったら最悪です。
出ていなかった専門学校の評判は落ちます。
そのようなことがあるので、大手専門学校では滅多に出ないような論点でもカバーしなければいけないという宿命があるのです。
毎年新しい論点がいくつか出ますが、大手の専門学校はそれらをすべてカバーし続けるわけです。
そうすれば、当然年を経れば経るほどテキストが厚くなっていきます。
ですので、どうしても1,000ページぐらいのボリュームになってしまうのです。
今まで出たことがある、あるいは今後出るかもしれない論点をかなりの割合でカバーしておかないと、他校と比較されて優劣をつけられてしまいます。
私も比較されているのかもしれませんが、私は割りきって「出ないところはやるな」と言っています。
私のそのやり方が合わない人は柴山式ではなく大手専門学校を選べばいいのです。
時々「柴山式では全部網羅していますか?」というご質問を受けるときがあるのですが、そのときには「網羅していません」とはっきり言います。
なぜかというと、滅多に試験に出ないところをやってもしようがないし、出たとしても実務に関係ないところをやったって意味がありません。
細かい論点は基本論点の応用なので、基本論点が分かった上で職場で調べればいいのです。
そのようなものまで試験でやることはないのです。
大事なことは、初めての事象が出たときにこの基本原理を応用できるかどうかです。
それが基礎知識というやつです。
柴山式は基礎知識に特化しているので、40時間でできるのです。
ということは、残りの150時間は壮大なる応用なのです。
柴山式は自信があるので論点を絞ってテキストを薄くできるのです。
滅多に出ないような論点のために血眼になって勉強するのは時間の無駄です。
それが私の割り切りです。
だから、「本試験では柴山式のテキストに載っていないところから出題されるかもしれませんが、気にせずやってください」と申し上げています。
テキストに出ていない部分は戦略的に落とせばいいのです。
落としたとしても8割ぐらいは得点できます。
もちろん、網羅的に勉強したい方は大手の専門学校を選んでください。
柴山式は網羅的な勉強はしていません。
なぜなら、みなさんの人生には限りがあるから、早く受かってほしいのです。
どっちみち、勉強したところで全部覚えていませんから。
現場で、実務で調べて間に合うものまで勉強する必要はないのです。
それを戦略的に削除しているのが柴山式なのです。
インプットを200時間で終えて、すぐにアウトプットに行けるのが柴山式の一番の特徴なのです。
だから高校生でも受かるのです。
全論点を網羅しているような分厚いテキストをやる人というのは、アウトプットの教材も完璧を求めるので、本来ならばやらなくてもいいような問題までやってしまい、時間がかかってしまうのです。
もちろん、柴山式でも他の専門学校でも、ご自身のキャラクターに合わせて学習スタイルを決めてしまって構いません。
ただ、多くの忙しい現代人は、まず70点を取ることができるレベルで早く合格した後に、足りない部分を実務で補えば十分間に合うと私は考えています。
そのため、インプットを圧倒的に軽くすることが早く合格するコツです。
「インプットは軽く、アウトプットはしつこく」です。
復習も含めてインプットは200時間以内で終わらせます。
そして、アウトプットは300時間以上やります。
この根底にあるものは「分かったつもりで先に行く」という考えです。
停滞せずに、どんどん先に進めます。
多くの方は「分からないと先に行けない」という状況に陥ります。
「分かったつもりで先に行く」と言うと、最初は納得してくれるのですが、実際にやってみると結構大変なのです。
分からない状態で先に行くというのは気持ちが悪いのですが、その気持ち悪い状態をずっと維持するわけです。
しかし、そのうち急に分かってきます。
直列で100個の電池を繋いで電球を光らせる場合、100の電池のうち99までは繋がっているけれど最後の1個が繋がっていない場合は電球はつきません。
それと同じで、99までは知識が繋がっているけれど、最後の1個が分からないばかりに点数が上がらないパターンというのがあります。
最後の1個がはまった瞬間に一気に結果が出てくることがあります。
100個のうち99個ぐらいまでは分かっているのに、最後の数個を残して「まだ分からない」と思って諦めてしまう人がとても多いのです。
点数が伸びなくても、着実に「電池」は積み重なっていると思って頑張ってください。
私たちは受講生の質問を見れば「この人は点数は伸びていないけれども、着実に力はついているな」というのが分かります。
みなさんの実力というのは直列電流と同じなので、最後の1つがはまった瞬間にパッと結果が出ます。
先ほど「勉強をしている間に最低2回は急激に点数が伸びる時期がある」というお話をしましたが、まさにその状態が最後の1つが繋がった瞬間なのです。
そこまで我慢ができるメンタルがあるかどうかがポイントです。
過去問をやっているときにもその状況がありますが、ある時点で急に得点が上がってきます。
挫折は3回ありますが、そのときにも自分のマインドコントロールができるかどうかがポイントです。
これは仕事と同じで、一生懸命やってもなかなかお客さんの反応が上がらなかったり、結果が出ないという時期がありますが、あるとき突然、今までの苦労が嘘だったように簡単にできてしまうことがあります。
この時期が簿記1級の勉強でも必ず来ます。
簿記1級で得たマネジメントスキルや自己啓発や自己管理能力というのは、仕事にも活かすことができますし、子どもの教育にも活きてきます。
いろいろな意味で果実が大きいのです。
ポイントは、「分かったつもりで先に行く」ということです。
これを何度も何度も唱えてください。
最初は分からなくても、必ず分かる日が来ます。
授業の内容は2割ぐらい分かれば大丈夫です。
繰り返しやっていくうちに分かってきます。
自分の反復効果を信じて勉強してください。
柴山式では例題というものがありますが、この例題を90パーセント以上は完璧にできるようにします。
そして過去問は10回分を5回以上やるのが目安です。
これらをやればだいたい戦えます。
インプットを早く終えてこの域に行ってほしいのです。
ここまで練習量を積んでいただければ、見えてくるものがあるはずです。
それ以降は個人差です。
何度も申し上げますが、「分かったつもりで先に行く」というのを覚えてください。
分からなくても気にしないことが重要です。
最初は分からないことを気にせず進むことに違和感を覚えるかもしれませんが、気にしないトレーニングだと思って頑張ってください。
全ての例題のうち90パーセントぐらいの問題を完璧にできるようにして、過去問10回分を5回転以上できるように、その前段階としてインプットを200時間で終わらせるというイメージです。
この後にご質問をお受けしますが、今日はここまでで終わりにしたいと思います。
今日は天気がはっきりしない中、そしてお忙しい中をお越しいただきまして、ありがとうございました。
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