2.勢とは、利に因りて権を制するなり【孫子の兵法を読んでみる!第1章計篇】

孫子の兵法、第1章の形篇・テーマ1「兵は国の大事なり」の4番目についてお話をしたいと思います。

 

将し吾が計を聴きて之を用うれば必らず勝つ。

之に留まらん。

将し吾が計を聴かずして之を用うれば必らず敗る。

之を去らん。計、利として以て聴かれるば、乃ち之が勢を為して、其の外を佑く。

勢とは、利に因りて権を制するなり。

 

「計」というのは、相手と自分の戦力の事前の見積もりの状況のことです。

「之を用うれば必ず敗る」つまり、敵と自分の力関係をよく知らない状態です。

 

「之を去らん」つまり、そういった状況ならば付き合いきれないということで、その国や軍には留まることができないということです。

 

「権」というのは「秤のおもり」という意味です。

このおもりを調節して、重さの力関係を逆転させる、状況を変えられるという決め手でもあります。

 

あとは状況を変化させる臨機応変な対処、あるいは切り札みたいな解釈をすることもあります。

 

ということで、全体を振り返ると、相手の組織と自分の組織の事前の力関係の見積もりを知って、これを用いれば必ず有利な状況で勝つ。

しかし、私の事前の見積もりを聞かなければ、勝てるものも勝てない。

 

見積もりが有利な状況と思って聞き入れられれば、その状況が勢いをなして相手と自分の内部の戦力の状況の他の外部的な戦略的条件を有利に働かせることができる。

 

勢力とは利によって秤のおもりのように決め手や臨機応変な対処という部分の要素を制することができる。

 

したがって、勝つ状況になるということです。

「計」「利」「勢」「権」という言葉を頭の片隅に入れていただければと思います。

 

それでは今回のお話を終わりにしたいと思います。

お疲れさまでした。

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