なかには、簿記は大原、経済学は当時の東京商科学院、それと、商法でナガセ先生という有名な方がいたので、商法はナガセとか、そのように掛け持ちしている人がいました。
そのように使い分けて受かる人もいますが、そのようなやり方をすると大体の方は落ちます。
怖いのは、評論家になってしまうことです。
各専門学校や講師の噂話をするのも面白いのでしょうが、そんな時間があるのなら簿記の問題を解いて欲しいです。
そのような話をしている間は、気持ちはいいですが、力はついていません。
精神安定にはなりますが、それは麻薬と同じです。
学校の談話室で、いつも誰かと同じような話を続けているのです。
そのような人は長くいるけど受かりません。
専門学校に通っている人で、合格したいのならば、そういう話には加わらないことです。
別のシリーズでお話をしたと思いますが、私の専門学校時代は、受かりそうもない人とは全くと言っていいほど話をしていませんでした。
引きずられてしまうので、受験生としては付き合ってはいけないのです。
会社でも同じですが、成績が悪い人は仲間を作りたがりますし、不満を持っている人は、1人で楯突くが嫌なので仲間をつくります。
寂しいから普通の人を自分の仲間に引き込もうとするのです。
それは人格的なレベルが未熟だということです。
このような人は専門学校にもいます。
今は掲示板がありますが、掲示板を見ることはおすすめしません。
やっても構わないですが、癖になるのが怖いのです。
人間というのは弱いので、見てしまうのですが、その時間があればテキストを開いてくださいと言いたいです。
今、目の前でやっていることを信頼しましょう。
どの専門学校でも合格者はいるのだから、絶対にそのやり方で受かった人はいるのです。
それなのに、不満・不安を持つのです。
それは、自分が未熟だからだと思ってください。
半人前の状態で評論家になるのは危険な兆候です。
これで受かる人は天才です。
私の経験上、9割は受かりません。
普通の人は専門学校や講師の悪いことを言いません。
私だって、受験生時代に通っていた専門学校では、原価計算の先生の教え方が全然わからなくて、楯突いてボイコットしたこともありますが、それでも原価計算は得意になりました。
講師の質はあまり関係ありません。結局は本人のやる気なのです。
ですので、評論家にはならないことです。
他の専門学校と柴山式を比較する内容のメール質問が時々ありますが、「他の専門学校では」という話はあまりしないほうがよいです。
柴山会計に限らず、どの専門学校の講師も「だったらそっちに行けよ」と思いながら答えるでしょう。
教えるほうも人間なので、段々、親身に教えるのが嫌になってくるのです。
ですから、質問の仕方も気をつけたほうがよいです。
他の専門学校と比べられるというのは、たとえるならば、親にあなたと他の兄弟を比べられるようなものです。
誰かと比較されたら頭に来ますよね。
どの専門学校でも同じですが、講師に気持ち良く答えてもらおうと思ったら、他の専門学校や講師などと比べて質問する方法は止めた方がよいです。
せめて「私はこう思う」という言い方にしてください。
質問の仕方で、その人が他人依存かどうかがわかってしまうことがあります。
自分の考えとして質問をしたほうが好感がもてるので、あなたの考えを聞かせてくださいということです。
「あの人はこう思ってるけれど、あなたはどう思う?」というような、自分を安全な場所に置いて質問をするやり方はフェアではなく、印象がよくありません。
私は大原で講師をやっていたときに「なぜ柴山さんのテキストはこうなってるのですか?」と質問されたことがありますが「そういう質問する人は受からないよ」と私が言ったらムッとしていました。
自分は悪くないと思っているのでしょう。評論家の人というのは、自分は悪くないと思っているのです。
私もそうですが、教えていて色々言われたときには、たとえ評論家的なことを言っていても、自分自身を見直すきっかけになるので、いったん飲み込んでゼロから見直すということはやっています。
私は専門学校の新人講師を指導していましたし、会計士の実務補習所で講師もやっていたので会計士の卵も教えていましたが、その立場から見ていて言えることは、専門家になる人というのは、良い意味で謙虚で貪欲です。
言われたことをきちんとやるから受かるのです。
なので、自分の意見とは違うと思っていても、受かっている人の話をまず一度受け入れてみてください。
柴山式は教材の数を絞っていますが、ある意味、私だから絞れるのです。
教材を絞るというのはリスクを負うので、普通は怖くてできません。
私も新人の頃は何でもかんでも記載して分厚いテキストにしていました。
しかし、普通のテキストではインプットをするのは大変なので、もっと少なくしたいという気持ちで、あのようなリスクを負う形の教材にしていますが、現在のところ毎回続々と合格者が出ています。
先日の内藤さんも、一昨年の前村さんも、最初はこの教材の少なさを「詐欺レベル」と思っていましたが、結局は受かっていて、今でも「こんなに少なくて受かるのは信じられない」と言っています。
これが職人芸なのです。
私はこの少なさでも受かるという自信があって教材を作っています。
かなり削っていますが、それでも受かっているのです。
講師を20年以上やっているから、何故これでも受かるのかがわかるのです。
私の経験と、講師としての覚悟と、知識です。
現在受験生であるということは、まだ合格していないということです。
合格していないということは、まだ半人前だというふうに謙虚になってください。
そうすれば受かります。
「自分は何でもわかってる」とばかりに、あれこれ評論してはいけません。
この動画を見ている方のなかにはビジネスマンも多いと思いますが、仕事でも同じです。
新人や部下が来て、仕事をはじめて間もないのに、自分が作った手順を他社と比較して意見を言われたらどう思いますか?
「まずやってから言え」と思いますよね。
評論は、一通りマスターして、できるようになってからにしなさいということです。
できないうちから評論しないでください。
評論したい気持ちを抑えて、まずは受け入れて、ただやる。
日商検定1級は学問ではありません。
技術の試験です。技術を磨きましょう。
私はいつもあなたの1級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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