今回も孫子を楽しく勉強していきたいと思います。
孫子全13章のうちの第1章である計篇です。
テーマ3「兵とは詭道なり」です。
今回はテーマ1の5ではないかと思うかもしれませんが、前回の表記を「テーマ1『兵とは国の大事なり④』と間違えてしまいまして、本当は「テーマ2『勢とは利に因りて檀を制するなり』」です。
それを踏まえて今回は「テーマ3」となります。
YouTubeのタイトルは直してありますが、ホワイトボードのタイトルは間違えていますのでご了承ください。
では早速みていきます。
「兵とは詭道なり。故に能なるも之れに不能を示し、近きも之れに遠きを示し、遠きも之れに近きを示す。」
「詭道」とは相手を欺くことです。
よく「奇をてらう」と言いますが、相手の裏をかくというところが実際の勝負をする上での戦略的なポイントになります。
相手の弱い所を突くというのは勝負事では当然あり得る話であって、基本です。
ビジネスでも同じように、相手の裏をかくということがポイントになります。
「能なるも之れに不能を示し」というのは、本当は優れているのに優れていないフリをするということです。
「能ある鷹は爪を隠す」と同じようなことです。
「近きも之れに遠きを示し、遠きも之れに近きを示す。」というのは、近くにいるけれども遠くにいるように欺き、遠いけれども近くにいるように見せかけるという意味です。
このように、相手に対して現状と反対の認識をさせるということです。
次に「故に利なれば而ち之れを誘い、乱なれば而ち之れを取り、実なれば而ち之れに備え、強なれば而ち之れを避け、怒なれば而ち之れを撓す。其の無備を攻め、其の不意に出づ。此れ兵家の勝にして先には伝うべからざるなり。」
「利なれば而ち之れを誘い」というのは、利益を示して相手を誘うという意味です。
「乱なれば而ち之れを取り」というのは、相手が乱れていれば攻撃するチャンスであるという意味です。
「実なれば而ち之れに備え」というのは、相手の戦力が充実しているならば、守備を固めるということです。
つまり、状況次第でいろいろな手を打ちましょうということです。
「強なれば而ち之れを避け」というのは、相手が強い場合は戦いを避けるという意味です。
「怒なれば而ち之れを撓す」というのは、相手が怒っている場合はさらにそれをかき乱して撹乱させよということです。
「其の無備を攻め」というのは、相手が備えてない状況を探して攻めるということです。
「其の不意に出づ」というのは、相手が思いがけないときに思いがけないことをするということです。
「此れ兵家の勝にして先には伝うべからざるなり」というのは、相手の状況によって臨機応変に勝ちを収めるけれども、その時の現場に行かないと分からないから、事前には味方に伝えることはできないという意味です。
「勝」という文字の裏には「臨機応変」という言葉が隠れています。
相手がどういう状況かの情報を取らないと、正しい戦い、「詭道」という本質は見抜けないということです。
これが現場における戦い方の本質だということです。
以上で今回のお話を終わりにしたいと思います。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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