今回のテーマは、「授業の2割しかわからないときに、どう考えるか」という、メンタルの鍛え方や心のあり方についてお話をします。
級が上がるにつれて内容が難しくなりますが、難しくなるからこそ、受かった後の喜びやメリットが違ってくるわけです。
それだけ高いレベルの結果を求めているわけですから、それ相応の努力は必要になります。
簿記3級や簿記2級は今までの経験で想像できる部分もある程度ありますが、簿記1級になると新しいことがたくさん出てきて、授業を聞いてもよく分からないという状況が出てくると思います。
その状況が1回や2回ならばまだ良いのですが、これが5回10回と続くとさすがに凹みます。
そういう状況でも先に行けるかが重要です。
昨日行われたガイダンスに出席された方も同じような悩みを抱えてらっしゃいました。
分からないことが出てくると、これまでの義務教育の習慣として、どうしても分かろうとしてしまいます。
分からないことが気持ち悪いので、分かろうとして一生懸命考えるのです。
それは悪いことではありませんが、そこでずっと考えてしまっても、結局は分からずじまいで時間だけを浪費してしまうことがあります。
10分考えて分からないことは1時間考えても分からないことのほうが多いですし、結局分からずに落ち込んでしまいます。
なぜかというと、今の思考のレベルで考えても解けない問題なのだから、いつまで考えてもそのレベルでは分からないのです。
ということは、レベルを変えるしかありません。
先に進んで全体像を見たほうが少しレベルが上がっているはずです。
少しレベルが上がっている状態でもう一度見直せばヒントが得られるかもしれないのに、ずっと分からないまま同じ問題に拘って先に進めないというパターンが多いです。
柴山式の日商簿記検定1級は商簿・会計と工簿・原計でそれぞれ20回の講義があります。
それぞれが最初は分からない状態になりますが、それでもいいのです。
しかし、そうは言っても10回20回とやっていくと凹んでくるのです。
よく、世の中には「怒らない技術」「イライラしない技術」という本がありますが、私は読んだことがありません。
なぜかというと、実践でイライラしない練習をしないと無理なので、テクニックだけを学んでも意味がないと個人的に考えています。
授業で10を習ったうち2割は分かったけれど8割は分からないというのは相当ストレスが溜まります。
簿記1級はこのパターンになる場合が多いです。
スタッフとして手伝ってもらっている、以前4か月で簿記1級に合格したマエムラさんが、昨日のガイダンスの質疑応答で「柴山先生が言ったとおり、分からなくても先に進んだ」と話していました。
早く先に行けば、2割程度の積み重ねがあるので、少しは蓄積されます。
その蓄積があって、全体の枠組みが少しレベルアップした状態でもう一度分からない部分に戻ると、理解が進みます。
そういうやり方で彼は短期合格を果たしました。
10のうち2割しか分かっていないと、8割を損した気分になって不満に思いますが、考え方を変えて、「0から2に進歩した」と思って、分かった2割を褒めてあげましょう。
一通り勉強すれば必ず少しは蓄積があります。
その蓄積を信じて最初に戻れば、最初は2割しか分からなかったものが3割か4割分かるかもしれません。
そうやって勉強を繰り返していけば、いずれは100パーセントできるようになります。
しかも、理解できなくても問題が解ければ受かる部分もあります。
たとえば税効果会計についてはマエムラさんも言っていましたが、理解しなくても処理が分かればある程度はできます。
そのように割り切って考えましょう。
大事なことは10のうち2しか理解できなかった場合、できなかった8割のほうを不安や不満に思うのではなく、できた2割のほうにフォーカスして、「2割進歩した」とポジティブに考えて20回の講義を通り抜けてほしいのです。
できるほうにフォーカスして勉強を続けてみてください。
必ずあなたの勉強は実を結びます。
自分を信じて頑張ってください。
私はいつもあなたの日商簿記検定1級の合格を心より応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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