今回の前を向いて歩こうは、想定外の事態があったときに慌てふためくことがないようにするためのコツをお話したいと思います。
かくいう私も時々慌ててしまうことがあるのですが、なるべく早く平常心に戻るように心掛けています。
これができるときというのは、事態が上手いほうへ進み、思ったほど悪くはなりません。
そういったことを考えると、少し思いどおりにならないからといってすぐにイライラしたり、キレたり、態度に表れてしまう方も時々いらっしゃるかと思いますが、それは自分で自分の首を絞めていることになります。
その態度を見た周りの人も不快な気分になります。
本人としては、その瞬間は気分が発散できるかもしれません。
しかし、周りからの信用も失いますし、「この人はこういう性格なのだね」という目で見られて距離を置かれ、だんだん人間関係が希薄になっていくか、同じようなキレやすい人間としか付き合えなくなります。
「類は友を呼ぶ」になってしまって、どんどん悪いほうへスパイラルしてしまいます。
したがって、普段の習慣が大事であって、いざというときにその場しのぎの対応をしようとしても無理なのです。
「自分にとって想定外の事態はあってはならない」というふうに思ってしまいがちですが、その考えは甘いと言わざるをえません。
人間は生きている以上、他人との衝突は避けられません。
そもそも、生まれる前の精子と卵子が結合する段階から、数多くの精子と戦って、その他の精子を犠牲にして卵子と結合した結果、自分が生まれているのです。
私が生まれる前から多くの「仲間」を犠牲にしているのです。
それはあなたも同じです。
生まれること自体が既に競争に勝っているのです。
私たちは他の犠牲の上に生まれてきているのです。
今だって、呼吸をしているときにも空気中の雑菌が体内に入ってきていますが、その雑菌も殺しています。
大なり小なり、他の命を犠牲にして生きているのです。
これは紛れもない事実です。
「では、ベジタリアンだったらいいのか?」といえば、植物だって生きているのです。
我々は何かしら他の物を利用して生きているのです。
そういう意味では、必ずそういったところで衝突はあるのです。
私たちに食べられているレタスなどの野菜にしたって、もっと土の中で根を張って生きていたいかもしれません。
リンゴなどの果物だって同じかもしれません。
もっと生きていたいと思うものを摘んで食べているわけだから、私たちは何かの犠牲なしに、あるいは何かの貢献なしに生きていくことはできないのです。
自分1人だけで生きていくことは不可能です。
たとえば全く食べ物を食べずに水だけで生きていこうとしても、水の奪い合いになります。
限られた資源であればどうしても競争が生まれてしまいます。
そうすると、必ず衝突は起きてしまいます。
衝突のない人生などありません。
競争がないということは、それは生きていないことと同じです。
私は、生きることの本質は、競争だと思っています。
そう考えると世知辛いと思われるかもしれませんが、世知辛いと思うこと自体、本質から目を遠ざけていることだと思います。
口に運ぶ物というのは、何かのエネルギーです。
自分が今この場所にいるということは、その場所を自分が占有しているのです。
他の誰かは自分と同じ場所には居ることができません。
たとえば、高校受験を考えると、募集人員が100人のところに1,000人が応募したら、900人を押しのけて受かるしか方法はありません。
ここで競争が発生します。
日商簿記検定も同じで、3級の合格率はだいたい30パーセントですが、30パーセントの合格者の裏には70パーセントの「失敗者」がいるのです。
言葉は悪いですが「落ち武者」がいるのです。
そういった競争に負けた人がいるからこそ勝者がいるのです。
敗者のいない勝者などいません。
負ける人がいるから勝つ人がいるのであって、負ける人がいなければそもそも競争していませんから、勝つ人もいません。
みなさんはなんとなく「勝ちたい」と思っているだけです。
勝つということは、誰かに勝つことですが、それは言い方を換えれば、誰かを負かすことです。
ということは、競争というものを全く無視して生きていくことは不可能なのです。
「衝突というものはあるものだ」「トラブルというものはあるものだ」というふうに腹をくくって生きることが、想定外の事態に慌てないという理由です。
何かのマンガで読んだことがありますが、不良に殴られたという場面では「なんで自分が!?」と思うかもしれませんが、それは自分に理由があるわけです。
あるいは、その環境をはねのけられない弱さがあるのです。
これは仕方が無いのです。
やはり、他人のせいにせず、周りのせいにせず、自分の力で切り拓くしかないのです。
トラブルがきたときに「なんで自分ばかりがこんな目に遭わなければいけないのか」と思うこと自体が負け犬根性です。
そのように思ってはいけません。
もっと不幸な人はたくさんいるはずです。
不幸自慢をしたり、「自分は恵まれていない」などと考えず、「そういうことはあるものだ」というふうに、前提として最低ラインを考えるのです。
最も悪い状態を常に意識しておけば、それより悪いことはないはずですので、普段の心構えが重要なのです。
普段から「自分が置かれている状況のなかでもっとも最悪な事態は何か」ということを一度しっかり考えると良いです。
そう思っておくと、それより悪いことはほぼ起きないですから、気が楽になります。
何か想定外のことが起こったときに、どっしり構えていると、周りは安心しますし、「この人は頼れるな」と思ってもらえます。
長い目で見ると、良い人間関係が築けるのは、いざという時に慌てずどっしり構えている人です。
あなたもそういう人になれます。
良いことばかり考えていると、それより悪いことがたくさん起こって、イライラしたり怒ったりします。
最悪のことを考えるということは、デール・カーネギーの「道は開ける」でも言っています。
問題があったら、常に考えましょう。
最悪の事態が起こったら、それを受け入れる覚悟をしましょう。
そのような覚悟を日々心の中でしておけば、それより悪いことは滅多に起きません。
そうすると、少しぐらい思いどおりにいかなくてもイライラすることもありませんし、キレることもありません。
あなたも普段の意識を変えてみてください。
もしかしたらオーラも変わってくるかもしれません。
頑張りましょう。
私はいつもあなたの成功とスキルアップを応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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