柴山式簿記1級講座の受講生の方から興味深いご質問を頂きました。
「過去問をいつから解き始めれば良いのか?」という質問ですが、これは一般的に多い質問なので、今日は過去問を勉強するタイミングについてお話をしたいと思います。
多くの方は2・3か月~半年経つと授業も含めて柴山式のテキストを2・3回転して、70前後の工業簿記・原価計算の例題と160前後の商業簿記・会計学の例題などの個別問題を一通りやっていると思います。
3回4回5回と繰り返してくると、ある程度できるようになってきます。
完璧にできるようになることを「Aランク」と呼んでいますが、このレベルで本試験に臨むのがポイントで、ほぼ9割以上をAランクにします。
「Bランク」というのは、やればある程度できるけれども正解には至らなかったり、正解に至っても失敗することもあるという不安定な状態のことです。
「Cランク」というのはできない問題で、「Dランク」は何も分からない状態です。
大抵3回~4回解いていくと半分以上はAランクかBランクになります。
そして、5回以上解いていくとCランクとDランクは全体の3割か2割程度まで減ります。
とにかく、AランクとBランクは7割ぐらいにならなければ話になりません。
少なくとも全体の半分以上はAランクかBランクにしてください。
できれば7割ぐらいをAランクかBランクにしておけば、過去問の解説はある程度分かると思うので、間違えてもいいので過去問を読み始めても良いと思います。
Aランクが9割に達していない状態で過去問を解くと全然できないと思います。
Bランクが多いと過去問は解けません。
Aランクが7割ぐらいであれば3割~5割ぐらいは解けるかもしれませんが、過去問がある程度解けるようになるにはAランクが7割以上ないと厳しいです。
今回のご質問を頂いた方は、全科目の例題ほぼAランクとBランクにして、C・Dランクがほぼ無い状態です。
これならば過去問を読んでも大丈夫なレベルです(解かなくてもいいです)。
過去問の取り組み方は別の動画でもお話しましたが、最初は答えを見ながら読んでも構いません。
いきなり解くとショックを受けるからです。
Aランクが7割以上の方は解いても良いですが、それでも最初のうちは30点ぐらいだと思います。
それぐらい過去問と例題は違うのです。
しかも間違えさせる引っかけがあちこちにあるので、最初から過去問を解けると思わない方が良いです。
Aランクが9割でも70点取るのは厳しいかもしれません。
最初から70点取れる人は天才に近いです。
ですから、Aランクが9割でも初めて過去問を解いたら半分も得点できないと思いますが、それで良いのです。
あとは慣れです。
ただ、過去問を解いてから2回目3回目で7割以上得点しようと思ったら、Aランクは9割ぐらい必要です。
しかし、いきなりそうはいきません。
今回ご質問された方もおそらくまだBランクが半分以上あると思います。
AランクBランクが半分以上あったら、まずは過去問を答えを見ながら読むことから始めてください。
例題を3回以上解いて半分以上BランクかAランクがあるならば、論点の半分以上は知っていると思うので、解説・解答を見ながらでも過去問は読めます。
過去問が読めるレベルはAランクとBランクを合わせて5割以上だと思ってください。
いきなり解く必要はありません。
最初の2回~3回は解説を見ながら過去問を読むだけでも良いです。
読むだけであれば、今から始めてください。
結論としては、今回ご質問された方のレベルがAランクとBランクならば過去問を読むところから始めましょう。
2回転目からは解いても構いません。
答えと解説を見ながら、2時間以内に問題文を1つずつ丁寧に読んでみてください。
工業簿記・原価計算と商業簿記・会計学をそれぞれ2時間以内に読みます。
つまり、合計4時間で1回分の過去問を読んで検討してください。
そして、分からないところは気にせずに先に進んでください。
完璧に理解しようとしても時間ばかり掛かってしまいます。
1日掛けて1回分をやるのは時間が勿体ないです。
例えば1日目に商業簿記・会計学の過去問を読んだら、2日目に同じ回の工業簿記・原価計算を読みましょう。
このように勉強をして頂ければ良いと思います。
私はいつもあなたの簿記1級合格を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。
PREV
「目で見て勉強するタイプ」か、「耳で聞いて勉強するタイプ」か考えてみよう!
|
NEXT
目的意識を持って勉強しよう!(日商簿記2級)
|