勉強の習慣作りや新しいことを始めるときのような行動変化を計画してみても、1週間経ってもなかなかできなかったり、あるいは最初の数日間はやっていたけれども徐々にできなくなってしまったということがあると思います。
そこで、今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」は、新しいことを始めるときの行動の手順についての1つのヒントについてお話したいと思います。
表にしてみましたが、縦軸の上段がやっていないことで、下段は既にやっていることの微調整です。
このあたりは抽象的なので、感覚的に捉えてください。
今やっていることから近ければ近いほど良いです。
今やっていることから遠ければ遠い程、やることが苦痛になります。
今はやっていないけれどもすぐにやれることと、やっていることを微調整することですぐにやれることの2つあります。
もう1つは時間がかかることです。
大抵、行動計画というのは今までやっていないことを新たにやろうとします。
例えば、突然ジョギングを始めたり、本を読み始めたり、やっていないことで時間がかかることをやろうとします。
これが最も変化が大きいので、今までと比べて改善の効果が大きいのです。
今までやっていなかったことで時間がかかることに取り組んで、それが成功すれば(習慣化できれば)たしかに大きな改善効果が得られますが、いきなりこれを成功させようとするのは難しいです。
できていれば苦労しません。
もしすぐにできるのならば、既にできているはずです。
すぐできないからこそ苦労しているのです。
ゴールは現在やっていないことで時間がかかることを習慣化することで大きな成果を手に入れることなのですが、その前の段階としてよくあるのが、今までやっていないことですぐやれることをやろうとします。
これはジョギングでもいいのですが、「ジョギングを1日15分ならばすぐにできるだろう」「1日15分の勉強ならばすぐにできるだろう」と考えて、すぐにできそうなことでやっていないことをやろうとします。
これも結構ある行動計画ですし、むしろこちらのほうが多いかもしれません。
しかし、全くやっていないことを始めるのでストレスが溜まるのです。
今まで日常の習慣で全くやっていない脳の信号を無理矢理ねじ曲げるので、やっていないものはたとえ5分でも嫌になってしまうのです。
全くやっていないことをいきなりやろうとすると、脳が拒否反応を起こします。
もっと始末に負えないのは、「すぐにやれるはずなのにできない」という自虐の念が強くなってしまうので、逆効果なのです。
やっていないことであれば時間がかかってもかからなくてもできないのです。
すぐにやれることを行動計画にした場合のリスクというのは、「こんなこともできないのか」「私ってやっぱりだめだね」というふうに自分の価値を自ら貶めてしまうことになるので、逆効果になってしまいます。
ですから、やるべきことを分解して、小口化して、既にやっていることを微調整して変化をさせます。
いきなり冷たい水にバシャンと入るのではなくて、そろりそろりと徐々に足を入れていって、少しずつなだらかな変化をしていって、徐々にやっていないことを入れていきます。
そして、最終的に2週間3週間経って習慣化したら時間がかかることに取り掛かります。
そのようにやっていけばいいと思います。
では、やっていることに近い微調整とはどのようなものがあるのか、例を1つ挙げてみます。
例えば今は6時に起きているとして、30分早く起きて勉強をするという計画がよくあると思います。
そのためには前日の生活習慣を変えるという別の話もあるのですが、まずは30分早く起きて勉強するというありがちな設定を考えてみます。
これには「30分早く起きる」という行動と「勉強する」という2つの行動が組み合わさっています。
いきなり30分早く起きて勉強するというのを今までやったことがないので、それをやろうとすると拒絶反応が起きます。
もっと言うと、30分早く起きるということですら大変です。
しかし、10分早く起きるのであればできるかもしれません。
そこで、今まで6時にセットしていた目覚ましを5時50分にしてみればいいのです。
小口化して、まずは起きることに特化します。
2つのことをいっぺんにやろうとするからできないのです。
やっていないことをいきなりやるのは難しいので、6時の起床を5時50分に変えるという微調整をします。
それに慣れてきたら次に目覚ましの時間を5時40分にするというように下に行くやり方もありますが、勉強するということを微調整の一部にするならば、「仕訳を5個やる」というふうに数字を決める方法もあります。
これができると思ったら、まず今までよりも早い5時50分に起きるということを5日間やります。
この5日間は早く起きるだけで、ボーッとしているだけでも構いません。
5時50分に起きればその10分間は歯を磨いたり有効に使えますが、何にその10分間を使うかは置いておいて、とりかく早く起きるということに特化して微調整します。
そして、5時50分に起きることが習慣化したら、その習慣にプラスして仕訳を5つを行います。
いきなり「早く起きて」「勉強をする」という2段階の行動を一度に行うのではなくて、まずは「10分早く起きる」という微調整をします。
10分早く起きることに慣れたら、そこに仕訳5個をプラスしてみます。
それができるようになったら、さらに早い5時40分に起きて、仕訳5つをやります。
それに慣れてきたら、仕訳5つにプラスしてテキストの例題をやります。
このように微調整を2段階にしてこまめにやっていくと習慣化しやすくなります。
この例の場合、1か月もすれば30分早く起きて仕訳を5~10題、テキストの例題を1個か2個できるようになります。
このように微調整(ステップの小口化)の連続で習慣化していくという方法もあります。
これが半年続いたら相当な成果が出ます。
これは私が会計士の受験生だった頃に試して有効だった方法なので、ぜひ参考になさってください。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
そして、日商簿記検定1級合格を応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。
PREV
あなたの競争相手も、見えないところで努力しています!
|
NEXT
連結会計と本支店会計の関係について
|