試算表と貸借対照表・損益計算書との関係

今回の頑張ろう日商簿記3級合格は、ビジネスマンや会計の初心者の方に知っておいてもらいたい概念です。

確定申告のシーズンを控えているということもあって、個人事業主から決算や会計サポートについてのご依頼・相談が最近増えてきています。

自営業の方はご自身でビジネスをしているのである程度は利益や決算書の数字について知識を持っておく必要があります。

しかし、個人事業主の方は現場のこともやりながら経営管理や会計のことも1人で考えなければならず、大変です。

そのために私たち会計事務所がいるのですが、そうは言っても我々会計事務所が出す数字を最低限の知識をもって経営判断に使えるということは大事です。

残念ながら廃業してしまったり事業が立ち行かなくなってやめてしまったケースを見ると、会計に疎い方が圧倒的に多いのです。

ということを考えるならば、今回お話しする程度の知識を持っていれば違ってきます。
あるいは簿記3級の勉強をこれからする方や現在勉強中で壁に当たっている方は、こういったアウトラインの話を思い出してみると良いです。

簿記1級・2級の勉強をされる方も、改めて試算表と財務諸表との関係を知っておいて損はありません。

あるいは商業高校や専門学校の先生も、簿記の基礎を生徒に教えるときにはこういった発想を教えることも有益です。
では見ていきます。

みなさんから見て左側に試算表というものがあります。
これは1か月や1年間の一定期間における取引の集計です。

資産というのは現金預金や商品在庫や建物や機械などの設備、つまり金・物・権利といった財産関係が左側にあります。

右側は負債といって、仕入代金の未払いである買掛金、借入金、あるいは建物や自動車など固定資産を買ったときの未払代金である未払金など支払い義務があるものです。

純資産というのは基本的に資本金や過去の利益の蓄積です。
これは株主や店主の取り分となります。

そして、下の方ですが右側に収益があります。
これは売上や受取利息、受取配当金、雑収入、受取手数料のような儲けです。

そして左下は費用です。
交通費、交際費、給料賃金、支払保険料など、会社から誰かにお金を払った分です。

費用というのはみなさんに例えると水道光熱費や家賃などの生活費です。
そして収益というのはサラリーマンの方の給与収入に相当します。

収益から費用を引いたものが利益になって株主の取り分に加算されます。
この試算表の上半分と下半分を分けると、上半分の左が550で右が500になって、50の差出ます。

一方、下半分は左が250で右が300となって、50の差が出ます。
上と下で反対側にズレが出てきますが、この反対側で出てくるズレの50が利益となります。

こういうふうに表を上と下でざっくり半分で割って、上が貸借対照表で、下が損益計算書です。

貸借対照表は財産の一覧表で、損益計算書は儲けの計算です。
貸借対照表の純資産190のうち50という当期増えた分の内訳が下半分の損益計算書で説明されています。

左側(借方)と右側(貸方)の左右対照表が貸借対照表です。
純資産を1年間でどれだけ増やしたかどうかを明らかにするのが決算書の一番大事な役割です。

だから、利益の計算が一番大事なのです。
そして、その利益がどういうプロセスで増えたかというのを説明しているのが損益計算書です。

これは損失または利益の計算書という意味です。
利益のプラスになるのが収益で、利益のマイナスになるのが費用です。

収益よりも費用が多くなると利益のマイナス、つまり損失となります。
この場合は収益300で費用が250なので、少ない方に50の利益を置きます。

つまり右のほうが大きいということです。
これが貸借対照表の純資産の下にもう1つの純資産として利益が乗っかります。

従って、新しい純資産は140から190に成長しました。
この増殖のプロセスを正確に計算して表示するのが財務諸表の大きな役割ということを知っておいてください。

株主の取り分である純資産の表示が大事なのです。
これが増えれば給料も払えますし設備投資もできます。

利益・純資産がポイントになります。
ぜひ参考になさってください。

私はいつもあなたの簿記学習、そして簿記検定3級の合格を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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