商品その他の品物を先方に引き渡す、または先方から受け取る際に、その品物を輸送してくれた者に支払う手数料などである。
運送費用には、①商品を売り上げるときに売手が支払う発送費用、②商品を仕入れるときに買い手が支払う引取り運賃の2種類がある。
商品を売り上げるときに、発送の段階で支払う運送費用のこと。
送料を売手が負担するか買手が負担するかで、つぎの2種類の会計処理方法がある。
支払った運送費用を「発送費用」「支払運賃」などの費用として会計処理する。
(取引1)商品を得意先に向けて発送した。販売価格は320,000円、代金の支払期限は、翌月25日である。なお、発送に際して、運送費用4,000円を現金で支払った。当該費用は当社負担である。
(仕訳例)
借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
売掛金 発送費用 | 320,000 4,000 | 売上 現金 | 320,000 4,000 |
支払った運送費用を「売掛金」「立替金」などの資産として会計処理する。
(取引2)商品を得意先に向けて発送した。販売価格は320,000円、代金の支払期限は、翌月25日である。なお、発送に際して、運送費用4,000円を現金で支払った。当該費用は買手負担である。
(仕訳例)
借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
売掛金 | 324,000 | 売上 現金 | 320,000 4,000 |
商品を仕入れたときに支払う運送費用のこと。
商品の送り状価格といっしょに「仕入」勘定に含めて会計処理する。
期末に未販売のものがあれば、期末商品の評価額を計算して、「繰越商品」勘定(資産)に振替える。
(取引3)商品40個を仕入れ、検収を行った。送り状価額320,000円の支払期限は、翌月25日である。
なお、引取りに際して、運送費用4,000円を現金で支払った。
(仕訳例)
借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
仕入 | 324,000 | 買掛金 | 324,000 |
(取引4)決算日になった。
倉庫に保管してある商品の実地棚卸をしたところ、10個が在庫として保管されていた。
いっぽう、商品の払い出し記録と突き合わせたところ、たしかに払出数量が30個となっていた。(売価は合計で350,000円)
したがって、仕入数量40個-期末在庫10個=販売数量30個であることが確認できた。
以上を踏まえ、期末の在庫計上に係る会計処理を行う。
(仕訳例)
借方科目 | 金 額 | 貸方科目 | 金 額 |
繰越商品 | 81,000 | 仕入 | 81,000 |
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