第6週② ケーキが売れたらどう書くの?

【キッズ簿記(BOKI)Step3】

今日は「ケーキが売れたらどう書くの?」というお話です。

キッズベーカリー開店初日からお客さんがケーキを買ってくれました。
このありがたい売り上げも、もちろん、帳簿に残さなければいけませんが、その書き方について一緒に勉強していきましょう。

進行:今日も、もかさん、りょうたくんの2人と一緒に勉強していきます。
そして、この番組を見て勉強しているあなたも、わかりづらい所があったら、復習をして一緒に勉強していきましょう。

まずはおさらいです。
きのうのキッズベーカリー開店初日には、素敵なご婦人を皮切りにたくさん売り上げたということですが、売り上げはレシートを見て確認することができます。
では、この売り上げを帳簿につけるにはどうしたら良いのでしょうか?

柴山:レシートに書かれていることをもとにして、どのように帳簿へ記入するか、一緒に見ていきましょう。
お金が増えたので、現金の竹とんぼの左側に900シバと書きます。
そして、売り上げがありましたので、売上の竹とんぼの右側に900シバと書きます。
以前にもやりましたが、売上の竹とんぼはプラスが右側にくる仲間の1つです。

進行:ここで練習問題です。
次の2つの売り上げを帳簿に書いてみましょう。
1.喫茶ABCに配達し、10,500シバをもらった。
2.お店で900シバ売り上げ、現金をもらった。
では答えを書いてください。

柴山:1個ずつ書いてもいいですし、合計でもいいです。

進行:それでは答えを見せてください。
もかさんもりょうたくんも、売上の竹とんぼと現金の竹とんぼで、売上の竹とんぼはプラスが右側にきています。
売上の右側に10,500シバと900シバと書いて、現金の左側に15,000シバと900シバと書いています。
2人とも全く同じ答えになりました。
先生、どうでしょうか。

柴山:完璧ですね。
今回は2人とも余裕で答えていましたね。
りょうたくんは売上のところは迷いませんでしたか?

進行:どういうやり方で答えを出したのですか?

りょうたくん(以下、りょうたくん):自分でもわかりません。

柴山:感覚として体の中に入っているということでしょうか。
もかさんはどうですか?

もかさん(以下、もかさん):以前やったので、やり方を覚えていました。

柴山:難しかったですか?それとも簡単でしたか?

もかさん:簡単でした。

りょうたくん:簡単です。

柴山:良かったですね。
初めてやったときと全然違いますね。
やはり、簿記はパズルなのですね。

進行:今回は2つの売上を並べて書いていますが、これだと、どうやって売ったのかがわかりづらいのかなと思うのですが、もっと良い方法というのはないのでしょうか?

柴山:実はあるのです。
キッズBOKIでは「竹とんぼの頭」とずっと言っていましたが、この「頭」と言っている部分を上手に使い分けると、もっと便利な管理ができるようになります。
その説明をします。

竹とんぼの頭のことを「勘定科目」と言います。
お店で食事をしてお金を払うときに「お勘定」と言うことがありますが、勘定というのは「計算」という意味です。
勘定の名前を勘定科目といいます。
「科目」という言葉は聞いたことありますよね。
つまり、計算する単位の名前を勘定科目というのです。
それを、今までは「竹とんぼの頭」といってきたのです。

金額を集めて計算する場所のことを勘定科目といいます。
「現金」「普通預金」「売上」「仕入」など、財産の名前や取引の名前を書いて、そこに、金額がいくらになったかを集めるのです。
ちなみに、今回は、喫茶ABCへの配達による売上と、お店で(店頭で)の売上の、2つの売上がありましたが、この2つを分けたら管理しやすくなりますので、勘定科目をさらに分解して使うこともできるのです。

進行:それは、自分で分けても構わないということですか?

柴山:そうです。
自分のやりやすいように分けてしまって構いません。
そのほうがわかりやすいですよね。

進行:どうやって売り上げたのかを自分で管理するために分けるということですね。

柴山:昨日はどちらの売上が多かったのかとか、管理がしやすくなります。
勘定科目の分け方で、会社やお店の個性がわかります。
では、キッズベーカリーならどう分けたらいいのか、練習問題をしながら確認をしてみます。

進行:それでは問題です。
次の2つの売り上げの勘定を分けてみましょう。
1.喫茶ABCに配達し、10,500シバもらった。
2.お店で900シバ売り上げ、現金をもらった。

柴山:では、売り上げはそれぞれ何をして、あるいは、どこで出したのかということを今回は書かないで、言葉で聞いてみようと思います。
1つは、喫茶ABCに配達して10,500シバもらいました。
2つ目は、お店で900シバ売り上げて現金をもらいました。
まずは、どっちにいくら書くのかというのを、1番から考えてみてください。

りょうたくん:売り上げの種類は一緒ですか?

進行:種類は分けてもいいです。

柴山:売上の「●●」のところは、「配達」とか「店頭」というふうに分けてもらってもいいです。

りょうたくん:ちょっとわからないです。

進行:では、現金の竹とんぼはわかりますか?

りょうたくん:プラスのほうに10,500です。

柴山:そうですね。
では、「●●売上」を2つに分けるとしたらどういうふうに分けられますか?

進行:BtoBとBtoCの売上です。

りょうたくん:わからないので、もかさんにお願いします。

柴山:ではもかさん、りょうたくんの代わりに答えてください。

もかさん:1番は配達売上で、2番は店頭売上です。

柴山:上のほうを配達売上として、どちら側にいくら書きますか?

もかさん:右側に10,500シバと書きます。

柴山:そうですね。
それではりょうたくん、2番目の店頭売上はどうでしょう?

りょうたくん:現金が左にプラス900シバで、店頭売上で右のプラスに900シバです。

柴山:完璧です。
2人の連携プレーはばっちりでしたね。
では、正解例を見てみましょう。
2人の答えたとおりですね。
りょうたくん、こういうふうに見てみるとわかりますか?

りょうたくん:はい。
柴山:先程の質問は少しわかりづらかったですね。
「●●」の部分がそれぞれ「配達」「店頭」とわかれば簡単ですね。
1番目は配達売上で右側に10,500と、数字を受け取るように現金の左側に10,500と書きます。
もう1つは店頭売上で、右側に900、現金の左側に900となります。
このように売上の種類を分けると、見やすいですよね。
もし、これが1つの売上にまとまっていて、11,400となっていたら、そのうちのいくらが店頭売上なのかがわからないですよね。

進行:先程の1つの竹とんぼでは10,500と900がまとまっていましたからね。

柴山:あれは最後に合計したら11,400となりますが、それだけ見てしまうと内訳がわからないですが、分けることによって、売上ごとの努力目標を見つけることができます。

進行:先生、レッスン27のまとめをお願いします。

柴山:1番目、900シバを現金で売り上げたときの書き方は、売上の右側と現金の左側にそれぞれ900と書きます。
2番目、竹とんぼの頭に書く言葉を勘定科目といいます。
ここで初めて出てきた、簿記の新しい専門用語です。
3番目、売上の勘定科目を2つに分ける理由は、配達の売上と店頭の売上を分けて管理するためです。

進行:今日は新しい言葉も出てきて、分け方も少し格好良くなってきましたけど、どうでしたか?

もかさん:勘定科目が自分で決められるということは、「店頭売上」を自分の好きな名前にすることもできるということですよね?

柴山:ある程度自由に決められます。
お店のなかで勝手に決めることなので、その帳簿を外に出すときは直せばいいのです。
家の中で着る洋服のようなもので、人に見せるときはそれなりの服を着ますが、家の中でスーツを着ても面倒臭いですよね。
それと同じです。
常識の範囲であれば、「店頭売上」が「店先の売上」とか、あるいはりょうたくんの好きな「BtoC売上」と書いてもいいわけです。

進行:今回学習してみて、りょうたくんの感想を聞かせてください。

りょうたくん:店頭売上と配達売上と、売るところが違うだけで、竹とんぼの名前が変わってくるから、面白いなと思いました。

進行:いろいろ考えるところがありますよね。

柴山:もかさん、たしかにこれはパズルですよね。

もかさん:すごい。

進行:先生、明日のテーマを教えてください。

柴山:明日は「売上をどうやって管理するの?」というテーマです。
お金のやり取りがわかる複式竹とんぼですが、これだけでは、「いつ」「何が」、「何個」売れたのかという数量まではわかりません。
そういった、売り上げの細かいところまで管理できるようなテクニックを、みなさんに学んでいただきます。

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