簿記資格は、大学受験や就職・転職活動などの様々な場面で活用できるおすすめの資格です。
その中でも日商簿記1級は難易度が高いとも言われていて、資格取得するには多くの勉強量と時間が必要になります。
そこで今回は、日商簿記検定の難易度の高い1級の申し込み方法と試験範囲についてご紹介します。
簿記検定の中でも日商簿記は人気のある資格で、
日本の商工会議所や各地域の商工会議所が主催しています。
日商簿記検定は、1954年から現在に至るまで定期的に開催されてきた歴史のある資格です。
国家資格ではありませんが、簿記・会計の資格として高く評価されてきた資格でもあります。
日商簿記1級の申し込み方法については、全国各地の商工会議所によって申し込み方法が違います。
受験日は全国共通で日程が決まっておりますが、申し込み開始日や申し込み方法は各商工会議所により異なりますので、お近くの商工会議所に事前に問い合わせしましょう。
また、ホームページなどでも詳細を知ることもできます。日商簿記1級の受験料は全国統一で税込7,850円です。
日商簿記を受けるのに、受験資格は必要ありません。
年齢や学歴、職務経歴なども気にすることなく受験することができます。
しかし、いきなり簿記1級を受験するのは無謀かもしれません。3級や2級の基礎的な知識を学んでから臨んだ方が合格しやすいでしょう。
合格率は約10%程度といわれておりますので、それだけ、日商簿記1級は難易度が高いといえます。
ここからは、日商簿記1級試験の詳細について紹介していきます。
現在、簿記2級や3級は年に3回開催されるのに対し、日商簿記1級は年に2回開催されています。
この違いは、はっきりとした理由付けはされていませんが、日商簿記1級の勉強範囲や勉強量を考えると年に2回の開催がちょうどよいのかもしれません。
日商簿記1級の試験時間は180分です。
科目ごとの受験時間として配分されており、前半の「商業簿記・会計学」で90分、後半の「工業簿記・原価計算」で90分と受験時間がわかれています。
注意点として、受験するにあたって、前半だけ、後半だけなど別々に受験することはできません。
試験を受ける際に必要な持ち物は、
受験票と筆記用具、電卓かそろばん、身分証明書などです。
電卓かそろばんはどちらか一方を持ち込むことができますが、電卓を選択した場合は、四則演算計算の電卓のみとなります。関数電卓等の多機能計算ができる電卓や、音の出る電卓は持ち込むことはできません。
また、会場によっては、時計がない場所もあるので、腕時計などの時計機能のみであれば、持ち込みは可能です。スマートフォンや携帯電話についている時計は持ち込むことができません。
電源をオフにする、通知をオフにするなど最低限のマナーを守って挑むようにしましょう。
日商簿記1級の合格発表日は、開催された各商工会議所によって日程が違ってきます。
最近では、ホームページに合格発表を掲載してくれる商工会議所も多くあります。この点も、事前に確認しておくようにしましょう。
日商簿記1級の試験範囲について紹介します。
日商簿記1級の試験範囲は試験科目も4つと内容の範囲が多いです。
試験科目は「会計学」・「商業簿記」・「原価計算」・「工業簿記」の4つです。
各科目の大きな特徴は以下のとおりです。
会計学 | 商業簿記による知識が問われる・文章の穴埋め問題や正誤問題など |
商業簿記 | 財務諸表を作成するレベル・決算整理後残高試算表や損益計算書などの問題が出題される |
原価計算 | 投資の意思決定の問題やCVP分析などの分析系の問題 |
工業簿記 | 製品原価計算・差異分析など簿記2級の延長線による問題 |
簿記2級や3級が基本編とすれば、簿記1級は応用編となり、勉強量も難易度もレベルアップします。
簿記1級の合格基準は全体の70%以上の正解率で合格とされています。
ただし、各科目ごとで40%以上の得点獲得が必要となるので、偏った点の取り方ができません。
バランスよい勉強量が必要になることが合格のポイントとなります。
日商簿記1級に合格すると様々な点で有利になることがあります。次は、日商簿記1級資格に合格した後の様々な場面で有利になる点についてご紹介します。
日商簿記1級は、難易度が高い分、資格を取得すると税理士試験の受験資格を獲得することができます。
税理士資格は国家資格となり、さらに難易度が上がります。また、受験するための資格条件が必要になり、その一つが日商簿記1級の資格なのです。
そのため、税理士資格を取るための通過点として日商簿記1級を受ける人も多いと言われています。
他にも、公認会計士、ファイナンシャルプランナーや中小企業診断士などの資格との相性も良く、ステップアップとして取り組んでも良いのかもしれませんね。
日商簿記1級を取得しておくと、大学の推薦入学に有利に働きます。
全国の大学では、日商簿記1級の資格保有者に対しての優遇特典があるので、高校や専門学校でも簿記の資格取得に力を入れているところも多いようです。
高校や専門学校、大学などの学生時代に日商簿記1級を取得しておくと就職にも有利に働きます。
企業は、経営には会計知識が必要となり、簿記知識がある人を求めています。
日商簿記1級レベルになると、就職後の評価も高くなり、資格手当なども優遇される可能性があります。
今回は、日商簿記1級について試験範囲や申し込み方法などを中心にご紹介してきました。簿記1級は難易度が高く、合格率も約10%と難関の資格とも言われています。
しかし、資格を取得することで、将来的にメリットがある点も多いです。
資格を取得することで、就職や国家資格などにも有利に働きます。
受験する際は、勉強時間の確保や努力が必要になりますが、将来的に有利に働くことは間違いないので、この機会に是非、資格取得を検討してみませんか?
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