今回は「受取手形記入帳」と「債権・債務」に関する簿記用語について解説いたします。
まず、「受取手形記入帳」について説明します。これは、3級の帳簿記入問題などで出題される可能性があるため、基本的な理解が求められます。
現在、手形取引は減少していますが、かつてはビジネスの場で重要な役割を担っていました。
受取手形記入帳は、約束手形や為替手形を受け取った際に、その管理を目的として記入する補助帳簿です。受け取った手形をどのように処理するかを記録するために使用します。
この帳簿に関連する用語としては、「受取手形」「支払手形記入帳」「満期日(支払い期日)」「裏書譲渡」「割引」などがあります。
手形は通常、数ヶ月後の満期日に支払われますが、その間に現金化したい場合は「割引」という方法を使います。
また、手形を他者に譲渡して支払いや取引に使うことを「裏書譲渡」または「回し手形」と呼びます。
手形を受け取った際には、記入すべき項目として「受取日」「手形番号」「取引先(取引内容の概要)」「金額」「満期日」などがあります。
また、「顛末欄」には手形のその後の処理方法を記入します。
たとえば、満期日が来て現金として入金された場合や、満期日前に他の取引先に支払うために裏書譲渡した場合、または銀行で割引入金された場合などの情報です。
次に、「債権・債務」について説明します。
受取手形のような取引も、債権・債務の一部として位置付けられます。
具体的には、受取手形は債権に該当し、支払手形は債務に該当します。
債権とは、他者に対して一定の行為を請求できる権利を指し、債務は他者に対して行わなければならない義務を意味します。
簿記において重要なのは、「金銭債権」と「金銭債務」の概念です。
金銭債権は、お金を受け取る権利を指し、反対に金銭債務はお金を支払う義務を指します。
債権と債務の違いは、物に対する権利を「物権」、人に対する権利を「債権」と区別して考えることができます。
債権には、他者に対して何らかの行為を求める権利(不作為も含む)と、金銭の支払いを求める権利の2つが大別されます。
例えば、コンサートのチケットを購入した場合、観客はコンサートを観る権利を持ち、歌手側はそのコンサートを提供する義務を負います。
このような金銭の支払いを求める権利が「金銭債権」と呼ばれ、簿記では「受取手形」「売掛金」「貸付金」などの科目で記帳します。
このように、債権・債務という用語は簿記を学ぶ上で非常に重要であり、また法律用語としても頻繁に使われますので、しっかりと理解しておくことが大切です。
PREV
公式法変動予算(2級工業簿記)
|
NEXT
手形割引・裏書(3級・2級商業簿記)
|