2006年4月7日の日経3面と17面には、まさに企業年金の話題が取り上げられています。
その趣旨は、おおむね「好調な株価を背景に、年金資産の運用実績が好調なため、積立不足が大いに改善されている!」というものです。
たとえば、3面の記事を見ると、2005年度の企業年金の運用利回りが19.2%と、2年ぶりに過去最高を更新した、とのことです。
運用利回りは、2003年度から、3年連続のプラスだそうです。
「…え?」
「ということは、つい4年ほど前は、マイナス!?…」
はい。2002年度は、マイナス12.5%まで悪化してます。
まさにどん底。
それが、たった3年で20%近くまで運用利回りが高まるのですから、昨今の株式市場をはじめとする資金運用面での好況感というのは、すさまじいものがありますね。
なお、このような年金資産の運用面における好調さを反映して、積立不足が加速度的に減少している、ということを17面では報じています。
この記事では、2002年3月期から4年間にわたる積立不足の棒グラフが載っているのですが、2003年3月をピークに、2005年3月には、一気に半額(約8兆円)になっています。
このように、年金資産の運用実績は、退職給付債務に対する積立不足の水準に、ダイレクトに影響を与えるんだ、ということを、ご理解いただけると、よろしいでしょう。
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