日経新聞によりますと、東京証券取引所の上場企業が今年1月から8月に実施した消却額が合計で2兆7162億円と、
前年同期比で2.8倍に拡大したそうです。
これは、最近の傾向として、株主への利益還元のために自社株買いを実施したあと、具体的な使途がない場合には、消却して株の需給に配慮したケースが増えているためのようです。
この期間に自社株買いを実施した会社は48社で、最も大きい額はセブン&アイ・ホールディングスです。
その額は、推定時価で1兆6千億円強だそうです。
株数は4億2750万株で、発行済み株式数の31.3%だというから、相当な規模ですね。
※セブン&アイ・ホールディングス(H18.8月)中間期の「その他資本剰余金」の自己株式消却に伴う異動状況~決算短信(株主資本等変動計算書の記載)より~
中間バランスシートの一部 (百万円)
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|その他
|資本剰余金 -10011←←←・
| ↑
|自己株式 10011→→→・
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合計 | 合計
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また、アステラス製薬は、今年5月に約400億円(1千万株)を消却したそうです。
このように、多額の株式消却の案件が複数出たことが、今年8月までの株式償却額の倍増につながったのでしょうね。
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