今回は、夕刊記事をトピックとしてとりあげてみました。
8月28日の1面です。
それによると、松下電器が、2004年度から子会社形態で事業展開していたCATV事業から撤退する、ということです。
じっさい、同日の松下電器のニュースリリースを見ると、同様のことが発表されていました。
具体的には、松下が「ケーブルテレビ(CATV)受信機器など機器販売との相乗効果を目的として、国内3位のCATV企業であるケーブルウェストの株式を56%取得していた」が、今般、業界最大手のジュピターテレコム社に、「すべてを譲渡する」、という内容です。
当初は、CATV機器販売の展開をスムーズに行うため、ソフト面でCATV放送を平行して運営していましたが、CATV放送が広く普及したため、自身で放送を行う必要性が乏しくなった、というのが実情のようです。
そうなれば、ケーブルウェストの株式を売却することによって得た収入を、主力であるデジタル家電製品に資源配分するのが、合理的な経営判断といえますよね。
松下の貸借対照表
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子会社株式 ××| ←ケーブルウェストへの出資額
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おそらく、松下の単独決算上は、上記のように、ケーブルウェストへの株式投資額は、原価(購入額)ベースでオンバランス(貸借対照表に計上)されていることでしょう。
これが、プレスリリースによると、9月28日に売却される予定のようなので、今度の中間決算(9月30日付け)では、ケーブルウェストとの資本関係は、なくなる、ということですね。
ちなみに、売却額は、総額で約409億円になるそうです。
中間決算では、単独ベースで、子会社株式の売却益が出るかもしれません。
注目したいところですね。
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