2006年11月8日の日経19面では、製薬大手の4社の中間決算に関する話題が出ていました。11月7日に、武田、アステラス、第一三共、エーザイの中間決算がでそろった、ということですね。
ここで、ちょっと4社の業績をかんたんに見ていきましょう。
(単位:億円)
売 上 高 営業利益 研究開発費
(一般管理費)
武田 2006/9(実) 6424 2362 961(+139)
2007/3(予)13000 4250 -
アステラス2006/9(実) 4479 725 979(+419)
2007/3(予) 9180 1800 -
第一三共 2006/9(実) 4858 784 849(+124)
2007/3(予) 9180 1270 -
エーザイ 2006/9(実) 3193 496 522( +78)
2007/3(予) 6530 1050 -
こうやってみると、アステラスの研究開発費の伸びが突出しているのがわかりますね。
やはり、この点が営業利益にも影響を与えています。
営業利益の伸び率
2005/9 2006/9
武田 2152 2362 +210
アステラス 1171 725 △446
第一三共 803 784 △ 19
エーザイ 452 496 + 44
アステラスにとって、前年同期比で研究開発費を419億円も増やしたのが、営業利益446億円減少の主要因となったわけです。
しかし、研究開発費の総額が、この中間期に限っては武田薬品を超えた、という事実は注目ですね。
売上高では、武田薬品と1.5倍程度の差ですが、
※2007/3ベース 13000÷9180=1.42倍
営業利益に関しては2倍以上も違います。
※2007/3ベース 4250÷1800=2.36倍
つまり、本業である製薬事業での競争力が、武田の方が上であると、決算書では読み取ることができます。
しかし、研究開発費では、一時的にせよ武田を超えたわけですから、開発への意欲が感じられます。
将来への布石として、この研究開発費の大幅増が奏功するかどうかは、次の決算以降を見てから、チェックしていきたいですね。
PREV
上場企業、8月までに2.7兆の自社株消却
|
NEXT
子会社株式のバランスシート表示(単独・連結)
|