経常利益の意味と、構成要素

経常利益とは、「企業の正常な状況下における収益力」をあらわす指標となる利益のことです。

●具体的には、次のような手順で計算されます。

ステップ1 売上高から売上原価(仕入原価)を引いて、
      「売上総利益(粗利益)」を求める。
               ↓

ステップ2 売上総利益(粗利益)から、営業活動に必要な経費、
      すなわち「販売費及び一般管理費」を引いて、
      「営業利益(営業活動の成果)」を求める。
               ↓

ステップ3 営業利益に、営業外の収益(受取利息・配当金・
      有価証券の売却益・雑収入など)を加算し、
      営業外の費用(支払利息・有価証券の売却損・
      雑損失など)を引く。

               ↓
          「経常利益」が求められる。

※損益計算書の表示例(経常利益まで)

           損 益 計 算 書  (万円)
     ―――――――――――――――――――――
     1.売  上  高      5000
     2.売 上 原 価      3000(▲)
                  ――――――――
          売 上 総 利 益   2000
     3.販売費及び一般管理費   1500(▲)
                  ――――――――
          営 業 利 益    500
     4.営 業 外 収 益       220
     5.営 業 外 費 用       180(▲)
                  ――――――――
          経 常 利 益    540
             :        :

会計について初心者の方は、特に強く意識して、上記の損益計算書フォームを書けるようになるまで、何度も読み返してみてください。

会計力が、また一段とアップしますよ!

なお、上記の計算プロセスを見ると、営業利益の売上高に対する比率(売上高営業利益率)は、10%と計算されますね。(500万円÷5000万円)つまり、売上高のうち、仕入原価と営業コストを引いた本業の儲けは、わずか10%程度しか残らない、ということなのですね。

実際の企業では、だいたい3%から5%程度の水準が営業利益の目安となります。

そして、営業外収益、営業外損失といった本業以外の収支がほぼトントンならば、経常利益は、営業利益に近い水準になることも、ままありますね。

以上、経常利益に関する基礎知識でした。

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