○○屋への支払いを掛け仕入れにしてもらったケイイチくんですが、実は、商売の先輩でもある喫茶ABCのマスターも同じようなことを考えていました。
その理由は何かということと、マスターの意外な一面も判明しますので、今日も楽しく勉強していきましょう。
進行:マスターの意外な一面というのが気になりますね。
そして今日も一緒に勉強してくれるもかさんとりょうたくんです。
2人ともその格好をしているということは……
「まだやるよ、キッズBOKI劇団」です。
今日はもかさんもエプロン姿で登場していただきました。
柴山:気合いが入っていますね。
進行:ということで、これから出てくるセリフを2人に読んでもらいたいのですが、今回の登場人物はケイイチくんと喫茶ABCのマスターです。
ケイイチくん役をりょうたくん、喫茶ABCのマスター役をもかさんにお願いします。
それではスタートです。
「金庫カラッポ事件」のあと、喫茶ABCにて。
今朝の○○屋さんとのやり取りを熱っぽく語るケイイチくんでした…
りょうたくん(以下、りょうたくん):「いや~、金庫にお金が全然なくて、仕入代金が払えない!と思ったときは焦りましたよ」
もかさん(以下、もかさん):「ほぉ~、そんなことがあったんだ。でも、仕入代金の支払条件が楽になってよかったねぇ」
進行:ふいに、喫茶ABCのマスターから新たな提案が…
もかさん:「うん、そうだ!ケイイチくん、今の話を聞いて私からもお願いがあるんだけど、聞いてもらえるかな?」
りょうたくん:「…へ?いったいどんなことでしょうか?(ドキドキ)」
進行:ええっ?配達売上げを月末締めで後払い?
もかさん:「うちへの配達売上の代金も、月末締めで翌月10日払いにしてもらえないかな?」
りょうたくん:「は、はい…え?いやあ、そ、そうですか~、そうですねえ…(すこし余計なことを言っちゃったかな?)」
進行:なるほど~、そういうことなのね!
もかさん:「ケイイチくんのケーキが大好評でね、倍の100個仕入れたいと思っているんだよ。代金を後払いにしてくれると、増えた売上からもっと支払えるんだよね~」
りょうたくん:「ええ、ほんとですか?ありがとうございま~す!でも、1日100個もケーキが売れるって、どれだけお客さんが来ているんですか?」
進行:意外な事実!喫茶ABCのオーナーはやり手だった。
もかさん:「いや~、うちのコーヒー、熱心なファンが多くてね~、他にあと2店経営しているんだよ。実は来月、○○町のショッピングセンターに4号店を出す計画もあるんだ」
りょうたくん:「どっひぇ~!マスター、3つも店を経営していたんですか?それで来月には4店舗目もお出しになると…おみそれしました!」
進行:…ということで、熱演していただきました。
ありがとうございました。
さて、先生、レッスン31では「掛け仕入」という支払の仕方を勉強しました。
そのときは買う側でしたが、今回は売る側のお話なのですよね。
柴山:そうです。
商売には売る側と買う側がいて初めて成立します。
以前は買う側でしたが、今回は売る側の立場での掛けのお話です。
売上代金のもらい方も、以前学習した○○屋との取引のように、2通りのもらい方があります。
1つ目は「現金売上」です。
これはもう学習していることですが、売上のつど、お金を払ってもらうやり方で、特徴としては、代金の回収が確実ですが、手持ちのお金以上には売れないという限界があります。
2つ目は「掛け売上」です。
これは、たとえば、月末に売上代金をまとめて請求して、後でもらうという方法です。
つまり1回1回の商品を相手にあげる段階ではお金はもらいません。
掛け売上の特徴としては、相手に信用がないとできないことです。
よく「飲み屋のツケ」といって、飲食代金を後でまとめて払ってもらうことがありますが、それも、顔なじみのお客さんだからこそできることであって、信用がない、初めてのお客さんにはできませんよね。
それと、もし掛け売上ができれば、売上数量は大幅にアップするという特徴もあります。
もちろん信用は必要ですが、掛け売上げにすると、その時お金がない人でもお店に行くことができるので、お客さんの数は増えて売上が大幅アップすることもあるのです。
そして、掛けで売ったときのメリット・デメリットについての説明ですが、今の話とほとんど同じです。
メリットの1つ目は、お客さんにお金がなくても売れるから、売上が大幅にアップすることで、2つ目は、売るたびにお金を回収する手間が省けるという点です。
デメリットとしては、相手に信用がないとお金が入らない危険があるという点と、お金がすぐ入らないので、手元のお金が不足しやすくなって、お金が入るまでの間の仕入代金の支払いなどに困ることがあります。
柴山:1つ目、代金のもらい方の違いによって「現金売上」と「掛け売上」の2つの売上方法があります。
2つ目、現金売上の特徴は、売上のつど確実に回収できるけれど、手持ちのお金以上には売上があげられないという点です。
3つ目、掛け売上の特徴は、信用がないとできないけれど、もしできれば売上が大幅アップする点です。
進行:今回の掛け売りの話を聞いて思ったことですが、これは、お給料を待つときの心境と同じですよね。
お金が入ってくる前に手持ちのお金がなくなることがないように、日々、お金の管理をしておかなければいけないということですよね。
柴山:私もサラリーマン時代には給料前にはカップラーメンをすするような生活を……そんなことはどうでもいいですね。
進行:そんな大人はさておき、もかさんとりょうたくんは、今回のお勉強をしてどうでしたか?
もかさん:世の中には苦しい大人がたくさんいるということがわかりました(笑)
りょうたくん:世の中を知ってしまいました。
進行:では先生、明日の内容を教えてください。
柴山:明日は「掛けで売上げたら、どう書くの?」というお話です。
売上るということはお金をもらうことですが、今回は、お金をもらわずに掛けで売上げました。
その場合は帳簿にどう書くのかを勉強してみたいと思います。
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