「国の借金が多いから」とか「社会福祉関係の財源が必要だから」と言っていますが、消費税を上げたところで焼け石に水なのですが、上がってしまいました。
消費増税というのはかなりの高確率で景気の後退を招きます。
さらに、2015年10月には10パーセントに上がるようですが、これは敢えて日本の景気を悪くするような政策なのですが、この見解についてはまた別の機会にお話をしますが、今回は簿記検定のお話です。
消費税率が変わるということは、日商検定2級と1級に大きく関係してきます。
2級の場合はかなり高い確率で仕訳問題で出る可能性があります。
もちろん、第三問の決算でも出る可能性もありますが、第一問の仕訳問題で出る可能性のほうが高いです。
2級の勉強をされている方は、この機会に税抜方式・税込方式についての仕訳の復習をしましょう。
1級を勉強されている方は、第101回で商業簿記の総合問題で消費税が出たことがあります。
かなり古いので過去問をやる必要はないのですが、このときは税抜方式で処理をさせています。
大手の企業は大抵税抜きなので、税抜きで出題される可能性が高いと思いますが、一応、税込み方式も知っておいてください。
出題される場合は、売上・仕入・経費の支払いについて、「(税抜価格)」などとカッコ書きで出る可能性が高いです。
その場合は、そこにアンダーラインを引いて、「1.08分の0.08」という計算をすることを意識してください。
心の準備をしておけば、消費税を含んだ総合問題が出ても大丈夫です。
恐いのは、何の準備もせずに、突然その問題を出されてパニックになることです。
1度パニックになってしまうと回復できません。
なので、出るかもしれないと思ってください。
第101回の問題を見直してみましたが、大した問題ではないので、怖じ気づく必要はありません。
むしろ、こういう時のほうが決算整理は易しいです。
101回の問題では、期首の残高からはじまって期中取引の仕訳をさせますが、こういう時は難しい取引は出ないのです。
柴山式の1級の勉強をされている方は、例題には出ていませんが、276ページ目、第20章の「税金と税効果会計」のところを見てください。
法人税率も変わっていますので、法人税の還付や追徴といった処理も、確認してください。
地味な論点ですが、稀に出ると焦ることがあるので気をつけてください。
276ページの法人税・住民税・事業税の会計処理の仕訳は覚えてください。
出る可能性があるので、出た時に焦らないように、やっておいてください。
277ページには消費税が出ています。
ここでは5パーセントの税率になっていますが、ここを8パーセントに読み替えてください。
この仕訳例を覚えてしまったほうがいいです。
税込価格の場合にはいったん1.08で割ってから0.08を掛けて、税抜価格の場合はそのまま0.08を掛けます。
消費税の対象になるのは「売上」「仕入」「人件費以外の費用」です。
人件費、すなわち給与関係は消費税の対象になりません。
ここさえ意識しておけば大丈夫です。
交通費や広告宣伝費などの販売費・一般管理費は大抵の場合消費税がかかります。
この計算は普段からやっていないと、突然出題されたときにパニックになって出来ませんので、277ページ目の消費税の税抜方式と278ページ目の税込方式の決算の問題、そして、ついでに276ページの法人税・住民税・事業税の基本的な処理についても見直しておきましょう。
今回、税金はトピックになると思うので、地味ですが知っておくと有利になるかもしれません。
時間のある方は今申し上げた範囲をピックアップして勉強してください。
直前の2週間ぐらいは、137回対策としてこのようなお話を色々していきます。
最近の出題傾向や、最近出ていないけれども注意すべき論点をお話したいと思います。
今回は法人税・住民税・事業税についての仕訳と消費税の税抜・税込方式について注意してほしいというお話をしました。
消費税の税抜または税込方式が総合問題の資料として入る可能性がありますが、よく問題文を読んで、きちんと仮払消費税・仮受消費税を計上すれば、大した問題ではありません。
大事なことは、心の準備をしておくことです。
「次回は消費税が出るかもしれない」と思っておいてください。
テキストの仕訳ができれば、あとはその延長ですから、それ以上に過去問などの特別なことをする必要はありません。
柴山式以外の教材をお使いの方は、消費税の処理が出るかもしれないと思って、テキストの該当部分を確認しておくだけで、気持ちは変わってきます。
私はいつもあなたの1級合格を心より応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。
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